d3さんの映画レビュー・感想・評価

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十一人の賊軍(2024年製作の映画)

4.2

東映で一時代を築き上げた脚本家・笠原和夫のプロットを白石和彌監督が蘇らせる。「仁義なき戦い」ファンとしては高鳴る。
ご本人が生前語ったところによれば、笠原氏が企画立案したところ「全員討ち死に?何を考え
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ロングショット(2017年製作の映画)

3.8

殺人容疑をかけられた男性のドキュメンタリー。
有罪になれば死刑。無実を主張する男性を信じて弁護士がアリバイ証拠を集める。

被疑者がヒスパニック系で検察と警察、予備審判の裁判官がそろって白人というシチ
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制覇(1982年製作の映画)

3.8

山口組三代目襲撃事件をモチーフにした志茂田景樹の小説が原作。三船敏郎と岡田茉莉子が演じる夫婦を中心にゴッドファーザーよろしく家族の絆を軸に描かれる物語は他の東映やくざ映画群とは一線を画している。

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BAD CITY(2022年製作の映画)

3.7

「…お前らみてぇな馬鹿…嫌いじゃねえぞ」
漫画みたいなセリフがきっちりサマになる漢。それがOZAWA。Vシネ系譜の配信作品で活躍するスターと第一線のアクション監督の化学反応が面白くないわけがない。
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ザ・ユニオン(2024年製作の映画)

3.5

国際派スパイは言語を含めて求められる知識量が多いため、基本的にはエリートであるイメージだ。
本作はタイトルが暗示するようにインテリジェンスとして実績のない、それでいてある技能を持つ人をスカウトしスパイ
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.8

観終わったあとにモヤモヤが残ることでおなじみのスペイン映画であることを強く認識しながら観ていたので楽しめた。

上層階が残したものを食べ、下層階に食べ残しを寄越す。わかりやすく社会の縮図を描いている作
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ルー・ガルー: 人狼を探せ!(2024年製作の映画)

3.4

タイムスリップものが好きなら年齢問わず楽しめるファミリームービー。

バラバラの家族が特異なシチュエーションに放り込まれ団結していく。世界的にみてもお決まりの構成だが、超個人主義のフランスではかえって
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アネット(2021年製作の映画)

3.6

冒頭からずいぶんな珍作だなと感じ少し距離を置いて観ていたが次第に引き込まれていった。
アダム・ドライバーは罪を背負った人間の役がよく似合う。観客は彼の演じるキャラクターが抱える苦悩を通して人間の弱さに
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木枯し紋次郎 関わりござんせん(1972年製作の映画)

4.0

主人公の生い立ちを描くのは続編の定番だが、本作はしっかりと現在進行している「いま」が物語の中心に据えられており見応えがあった。

役者陣が巧者揃いなので、長めのカットも飽きることなく見入ってしまう。む
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アシスタント(2019年製作の映画)

4.0

映画会社で大物プロデューサーのもとで働く新人アシスタントの女性の1日を追う。metooのキッカケになったプロデューサーをモチーフにしたものだと思われるが、職種に関係なく働く人はドキュメントのように観ら>>続きを読む

安藤組外伝 人斬り舎弟(1974年製作の映画)

3.8

ご本人登場の東映実録もの。それぞれの格闘シーンがドラマティックで格好いい。
登場人物たちをおとしめることなく、それでいて「やくざなんて生き方はくだらない」という中島貞夫監督のメッセージが込められている
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.2

脱北ドキュメンタリー。おばあさんや女児を含んだ一家で脱北を試みる家族と自身は脱北者で息子を脱北させようとする母親。2つのストーリーを軸に構成される。
いま日本に住んでいる我々の目には、近隣の国でありな
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木枯し紋次郎(1972年製作の映画)

3.8

木枯らし紋次郎といえば中村敦夫のTVシリーズが有名だが、こちらは菅原文太が紋次郎を演じている。そして監督は中島貞夫。中村敦夫版とは違ったキャラクター造形を楽しめた。

物語の前半は島送りになった紋次郎
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人情紙風船(1937年製作の映画)

4.0

先ごろ発刊されたキネマ旬報100年記念ムックで山中貞雄監督の書いたコラムを読んだことをキッカケにしばらくぶりの鑑賞。
コラムはずいぶんと尖った内容だったが監督の年齢を考えるとむしろ自然だろう。

早逝
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沓掛時次郎 遊侠一匹(1966年製作の映画)

3.8

吹く風が冷たくなると股旅ものが観たくなる。
気が進まなくとも義理のためには筋を通さなければ稼業を生きていられない。

「ヤクザなんて虫けらみたいなもんだ」
美学ではない。時次郎の苦悩が全編を通して描か
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アイズ・オン・ユー(2023年製作の映画)

3.6

搾取される女性たちの寓話かと思いきやまさかの実話ベースの物語。
出てくる男たちがどれも気持ち悪さを感じさせるのは、彼らベースのルールの異常性になんの疑問も持っていないからだろう。
そこへ表面上は会話の
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.7

人気ドラマシリーズの劇場版。ドラマ版は未視聴だが、本作の物語に絡まないながらも登場してきた人物については「ああ、この人はドラマ版のキャラクターなんだろうね」と理解しやすく楽しめた。

推理をすることや
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あんのこと(2023年製作の映画)

4.2

実話をベースに作られた物語はまるでドキュメンタリーを見ているかのように社会の一隅を感じさせる。

善意をもとにした活動が築き上げられたシステムであるかのように稼働してしまう危険性を感じた。核となる人間
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

閉塞感を抱えた人物たちに寄り添うように日常が描かれる。
はじめは症状による社会との隔絶にモヤモヤしながら観ることになるが、次第に人物の輪郭が現れ、彼らが決して特別ではないことがわかる。誰の身にも起こり
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.8

いまの時代には貴重な存在の時代劇。けっして派手な話ではないが格之進の心情を慮りながら物語を追うことで世界観に入り込めた。
機材や技術の進化によって、これまでに見たことのない表現も野心的で楽しい。

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ダイ・ハード(1988年製作の映画)

3.8

「地面師たち」のなかで豊川悦司演じるハリソン山中がダイ・ハードに言及していたので久しぶりに観たくなり鑑賞。久しぶりなんてものではないかもしれない。観終わったあと巻き戻ししなくていいダイ・ハードは初めて>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

「原爆の父」と呼ばれたオッペンハイマーの半生を追う。
ギリシャ神話において、ゼウスの火を人類に与えたことで罰せられたプロメテウスになぞらえて、オッペンハイマーが原爆を開発したことによる称賛から批難、晩
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに映画らしい映画を観たなどと言えば語弊があるかもしれないが、しばらく触れられていなかった心のなかの一部分をがっちり握られたような作品だった。

誰もが消化しきれないモヤモヤしたものを心に持ち、
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.5

不条理ホラー、あるいはコメディか。
ボーの主観による恐れが表現化されるため非現実的な空間が展開され、観ているものを不可解な世界へ誘う。

個の生き方を縛るのは環境だけではなく、己の思い込みや固定観念に
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スオミの話をしよう(2024年製作の映画)

3.7

相手によって見せる顔を変える。程度の差こそあれど誰しも身に覚えはあるはずだ。
相手の望むものを与えることが上手いコミュニケーションだと言われるくらいであるから悪いことではない。しかし、あまりに変えすぎ
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.0

社会問題を切り取った物語で観客に考える時間を与えてくれる吉田恵輔監督作品。
本作もまるでドキュメンタリーを観ているような臨場感を保ったまま、女児失踪事件被害者の姿を追っていく。

ひとりの少女が居なく
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ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!(1999年製作の映画)

3.7

タイトルからお気楽な学園コメディかと思いきや、生徒会選挙のゴタゴタを通じて人間を描く短編小説のような作品だった。

いけ好かない自己中心的な優等生ギャル役は、「キューティーブロンド」のリース・ウィザー
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.0

将来あんなにひねくれてしまうのは、本作と「チャーリーとチョコレート工場」のあいだにとんでもない事件があったに違いない。そう思わざるを得ないくらいに好青年のウォンカが仲間とともに夢を実現するために奮闘す>>続きを読む

レベル・リッジ(2024年製作の映画)

3.6

アメリカの田舎警察はよそ者をナメがちというランボー以来の様式美から物語は始まる。
ただシンプルに警察を悪として描いているのではない。財政難のなかで組織を維持するためにやっている手法は町の裁判所判事も黙
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身代わり忠臣蔵(2024年製作の映画)

3.6

もし吉良上野介にが巷間語られるような人物ではなかったら…という歴史のifストーリー。もしムロツヨシがタイムスリップしたら…ではない。松之廊下事件直後、瀕死の本人に対してそっくりの弟が身代わりとして吉良>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.0

当事者でなければ問題意識を持ちにくい題材について考えさせられる物語。
意思疎通ができなければ存在は無意味なのか。命のあり方は意思疎通だけでは測りきれないほどに尊いはずだ。

これまでに起こったことは、
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リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

3.5

子どもがマクガフィン的な立ち位置になり、一匹狼が数少ない仲間たちと組織へ立ち向かう。西部劇のようでもあり、ターミネーターのようにも見える娯楽作品だった。
「綾瀬はるかがこの役をやればカッコいいんじゃな
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恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

4.0

出会った二人が反発を覚えながらも惹かれ合っていく。どこか懐かしい雰囲気を感じさせるストーリーをニヤニヤしながら観てしまった。

数十年前には量産されていたラブコメディーだが、近年ド直球のジャンルものを
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ロストケア(2023年製作の映画)

3.8

介護の問題はできる限り先送りしたいと考えてしまう。しかし、老いていく親を認識しながら見えていないフリが成り立つ時間はわずかだ。直視しなければならない状態は突然にやってくる。

最前線で働く介護士は悲惨
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

3.7

シンプルな仕事人的物語かと思いきや、現実感を感じさせる映画だった。特殊な教育方針で育てられながら、病を抱えつつ社会と向き合う主人公。
強さこそ正義という概念は誤解されがちであるが、己を守る強さや大切な
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奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

3.8

日本だと「企画にするのはキビシイですねぇ」と製作者が尻込みしそうなアイディアを実現し、ちゃんと面白く仕上がっている。

主人公家族がようやく手に入れたソウル市内のマイホーム。そのマンションが陥没で堕ち
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