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エゴイストのすのネタバレレビュー・内容・結末

エゴイスト(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

美しく静かで、だけど確かにそこにある、そんな愛の物語でした。不器用な人たちの物語。
前半、お金の関係なんて駄目だよ…すぐ別れるよ……と頭を抱えていてすいませんでした。
龍太のお母さんが良い人でよかった。男でも女でも大切ならそれで良いと言って、龍太を信じてくれる人で良かった。愛がわからないと言う浩輔に、私が愛だと思っているからそれでいいの、と言ってくれる人で良かった。
浩輔は己のことを自分勝手だと思っている、お金をあげて龍太を留めるのは自分のためだし、お母さんに優しくするのは大好きだった自分の母親にできなかったことを龍太の代わりにしているだけだと思っている。けれど龍太は、現世は地獄ではないと知ることができたし、お母さんはまだ帰らないで、と我儘を言うことができた。それって十分、愛だと思うんですよね。上手く立ち回るのは得意なはずなのに、上手い言い訳ができずにしどろもどろとエゴを押し付けた、そんな男も救われたのかなあと思いました。
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