このレビューはネタバレを含みます
龍太のお母さんに同居を断られたあと、コーヒーを淹れながら新しい椅子が映るカットがたまらなく寂しかった。
エンディングが唐突に感じたけど、エンドロール後、スーー…と吐息が聞こえて、ああ、この映画は今終わったんだな、と気付いた。
それは愛か?エゴか?
浩輔が自販機で水を買うときに苛立っていたのは何故か、わたしにはよくわからなかった。
俺のこの気持ちは愛なんかじゃない、と自分に腹を立てていたんだろうか?
龍太のお母さんも本当は、エゴと書いて愛と呼んでいたんじゃないだろうか。それを愛と言い切れる強さと、息子の葬式で気丈に振る舞う姿が重なった。
次から次へコンテンツを消費する日常のなかで、久々にしばらく心に残して考え続けたくなる作品だった。