愛の形は見えないから、それを表す何かが欲しい。
一般的にそれは、結婚、家族という形を取る。
異性愛だろうが同性愛であろうが、結婚という形に囚われずに大切な人と共に生きていくことが当たり前のようにできればいいのに。
母と息子。父と息子。恋人同士。恋人の母と他人の自分。
この映画で描かれるのは一対一の関係性だけれど、その絆を美談にしていない。
この映画のタイトルが「エゴイスト」たる所以なのかな、と思う。
愛の形を表す「何か」が欲しくて、浩輔は献身的に龍太に形あるものを渡していく。
過剰なプレゼントや金銭は、個人的には束縛につながると感じるので、途中までうーん🤔と思っていたけど、不器用な浩輔の愛なんだろうな。
幼い頃失ってしまった母との絆を取り戻すように、龍太を通して思いを伝えていく、血縁関係を超えた愛。
愛する人の死と2回も母を亡くすことを考えると辛すぎる。
ピュアな龍太が本当に健気で可愛くて…。リアルに身長184cmある宮沢氷魚が本当に可愛かった。
セックス描写もここまで撮るか、と唸るほど生々しく美しい。計算されたカットがほとんどだと思うけど、一部本能のままに回してるようなカットもよかった。
ちなみに、浩輔のマンションのお部屋は、ドライブ・マイ・カーでも使われたお部屋かな。
同性愛をテーマにした作品は色眼鏡で見られがちだけれど、形を超えた愛の物語としてとても素敵な作品です。
