片腕マシンボーイ

ブリング・ミンヨー・バック!の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

4.2
民謡とかようわからんけど大丈夫かしら?ってドキドキしながら観にいったんやが……いやぁ!最強の音楽ドキュメンタリー爆誕!まぢ痺れっぱなしジャーマンスープレックスな傑作やったし、たぶんしばらく民謡クルセイダーズ聴き続けるね!最高!

民謡とラテン音楽をフュージョンしてみたぞ!ってバンド民謡クルセイダーズが世界ツアーすんぞ!ってドキュメンタリー

日本の文化って海外のものを上手く取り入れるんは得意やが、そのぶん海外憧れ思考が強いらか?昔からある日本古来の文化ってそこまで大事にしないじゃない?じゃなきゃハロウィンよりも端午の節句の方が盛り上がるはずやしね?
音楽も文化大国アメリカならブルーズがジャズ、ロック、R&B様々なジャンルに派生しているし、オーストラリアや南米、アフリカ、なんかもルーツミュージックが時代に合わせ姿形を変えつつも人々の暮らしに密接する音楽として存在していると思うんよ、アジアやヨーロッパはよう知らんが、インド映画等を観ると独特なインド音楽が人々に浸透しているんはわかる
そして元々音楽文化が遅れていたイギリスが、アメリカ音楽であったブルーズ、ジャズ、ロックンロール、スキッフルをイギリス流に洗練し今のロックミュージックの原型を作り出し、フランス起源の電子音楽がアメリカやドイツで進化を遂げる(詳しい人がきいたら、何言ってんだ?思うかもしらんけどね)
そんな中で、日本でルーツミュージックと言っても良い民謡は?といえば、時代に合わせた進化を遂げるようなこともなく、もはや今の時代では田舎の祭の時以外は箪笥の奥に押し込められたような音楽ジャンルでして……
代わりに日本の音楽シーンを席巻するのは日本独自の音楽文化というよりは海外音楽を日本風に焼き直したものが多く、明治に産まれた独自の音楽ジャンル演歌でさえも姿を消しつつある

さぁ、そんな独自の音楽文化弱者日本で、満を持して誕生したのが本作の主役民謡クルセイダーズである!ラテン音楽やアフリカ音楽などのダンスミュージックを奏でるバンドと民謡歌手のフュージョンにより産まれた驚異の化学反応に、一聴すればたちまち日本人の本能が呼び起こされ縦ノリ盆踊り不可避のパーティーチューン最高!
そうねぇ、序盤は民謡の歴史や現状の解説を織り交ぜながら各地の民謡紹介と民謡クルセイダーズの演奏で魅せてきましてね!熊本のめちゃカッコよく踊るジジババが最高にクールで痺れたし、郡上八幡の盆踊りも最高やったし、元ちとせをゲストに迎えての奄美大島の演奏も痺れたなぁ、ってかハズレ曲無し!

そして後半は1stアルバムのリリースに併せて行われた世界ツアーの様子でして、まぁ何処の国の人達も民謡が初めてとて問答無用で魅了されていてね、その民謡のグリップ力には驚きましたよ!
特にコロンビア公演での地元のバンドとのセッションね、めちゃみんな楽しそうで最高やね、ん……コロンビアのバンドサックス吹いてんのデイヴ・グロールやし、トランペット吹いてんのアダム・ジョーンズやし、トロンボーン吹いてんの……ブラジリアン柔術のコロンビア支部の師範ちゃうの?

はぁ、最高の音楽ドキュメンタリーやったなぁ、民謡クルセイダーズのライブ行きたい、今はもうそれだけ……どすこい!どすこい!