びーち

アメリカン・エピック エピソード2 「血と土」過酷な労働から生まれたブラック・ミュージックのびーちのレビュー・感想・評価

4.0
米国の大衆音楽の歴史を描いたドキュメンタリー。エピソード1はその出発点。新しいメディア”ラジオ”に翻弄されたレコード業界は、録音技術の発達に伴い、新たな才能の発掘に活路を求める。そうして見出されたのが、アパラチア山脈のカーター・ファミリーとメンフィスのメンフィス・ジャグ・バンド。前者がカントリーの、後者がブルーズの祖であり、やがてその混合からロックンロールが産まれる。産み出した人種も、その形態も、まったく異なっている二組だが、その背景に「貧困」が共通している。エピソード2では、サウス・キャロライナのゴスペルの成立ちや、ウエスト・ヴァージニアの炭坑夫の音楽、ミシシッピ・デルタのブルーズの祖が取り上げられる。彼らもまた、貧しさと辛い労働の中から音楽を創造していたのだ。なんとも傷ましい出発点ではないか。
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