社会のダストダス

そばかすの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

そばかす(2022年製作の映画)
3.5
三浦透子さん初主演作品らしい。じっくりと演技を見たのは『ドライブ・マイ・カー』が初めてだったけど、歌手としても活動していて『天気の子』の主題歌も歌っていたりと多才な方なんですね。

タイトルは『そばかす』、ご本人にそばかすは無いけどどういうことだろう。主人公が蘇畑佳純だからその略称か、木村拓哉氏をキムタク、前田敦子さんをまえあつと略すみたいな感じで。

冒頭の居酒屋でのシーンが身に染みて共感できる。私も興味のない話のときは適当に笑顔で相槌してひたすら食ってる時が多いので、場違いな感じに共感できるとともに、周りからはああ見えるのかと少し反省する。解散した後に食べ足りなくてラーメン屋や牛丼屋に入るところまで完全に同じだった。でもしょうがない、こっちは食うのが目的で付き合ったから。

アラサー世代で、実家から仕事に行っていて、結婚とか恋愛とかに興味なくて、自由人サイコ―なところなどは、主人公の蘇畑さんと私は結構似ている。決定的な違いは彼女はアセクシャルという無性愛者で、私はどスケベだということぐらいか、そう考えるとお見合いで偶然会ったラーメン屋の彼が一番近いのかもしれない。

多様性って言葉は多分当事者の人たちは好んで使わないんじゃないかなっていつも思う、例えばゲイの人たちは「頼んでもいないのにジャンルモノにするんじゃねえ」と感じるんじゃないかとか。劇中で多様性について講釈垂れたオッサンが象徴するように、大抵はそれを俯瞰から眺めている人たちの方便として使われている気がする。

本作にて三浦さんに私の生き方を肯定してもらえるというお墨付きをもらったので、これからも胸を張って自堕落な生活に邁進していく所存でございます。わぁーい