このレビューはネタバレを含みます
主人公がアセクシャルの映画です。
性的マイノリティって社会の中で居ずらい時がありますし、私も日常で「今流行りのLGBT笑」と言われてキレそうになる時があります。
性的マイノリティに関わらず、マイノリティって普段の生活で「存在しないもの」にされがちで、当事者が感じるその違和感がしっかり描かれていたのが良かったです。
「女にとって、恋愛が全てで結婚がゴールなの？ってかその後もめちゃめちゃ人生続くんだけど。」(真帆)
「私は恋愛もしたくないし、そういう感情も無いの。変なのかもしれないけど、それが私だから！」(佳純)
私はアセクシャルでは無いけど複合マイノリティなので、一つ一つの台詞が心に刺さりました。
自分はみんなと違うのに周囲はみんなと同じことを強制したり、 同じ考えだと勝手に決めつける。
そういうことをされた時、世界で自分が透明にされてしまったみたいで悲しくなるし怒りを覚えるんですよね。
多分これまでも「蘇畑さんにはちょっとまだ恋愛とかわかんないか～笑」とか言われてきたんだろうなってめちゃくちゃ想像出来ますし。
でも、佳純は友達がわかってくれたり、ラストで同じ考えの人が近くに存在したことでちょっと救われたりしたのかなと思いました。
自分と違う人が大多数であることは孤独だし辛いけど、それでも理解のある人や同じ境遇や考えの人がいることは確実に救いになるんですよね。
ただ、それでもアセクシャルやそれ以外でとマイノリティに対する世間一般の理解ってとても低いのでもっといろんな人達に他人事にならず、ちゃんと理解して欲しいと思いました。
私的には映画全体、主題歌含めとても良かったのですが、アセクシャルの当事者から見るとこの映画ってどうなんでしょうね。
私は発達障害なんですけど、発達障害を描く作品を見ると、「それ違うし、そういう描き方やめて欲しい。」と思う時があるので、当事者からしたらまた違う感想になるのかもしれないです。(当事者間でも意見が割れると思いますし)
ただ、それでもアセクシャルが主人公の作品ってなかなか無いので、これを機にもっと増えて欲しいと思いました。
