みおこし

皇帝円舞曲のみおこしのレビュー・感想・評価

皇帝円舞曲(1948年製作の映画)
3.5
ビリー・ワイルダー監督の初期の1本。ビング・クロスビーを主演に迎え、なんとミュージカル仕立てになっている点が他の作品と一線を画しています。しかし、そんな彼は本作を機に自分はミュージカルを手がける才能はないと感じたらしく、これが彼にとって唯一のミュージカル作品になったそう。

アメリカ人の蓄音器のセールスマン・ヴァージルがウィーンにやってくる。彼の目的は、蓄音機をオーストリア皇帝に売りつけること。宮殿で出会った伯爵令嬢ヨハンナに恋をし、彼の愛犬とヨハンナの愛犬同士も良い感じになるが、蓄音器を爆弾と間違われて国を追われることになってしまい...。

愛犬を連れたヴァージル(ビング・クロスビー)が鼻歌を歌いながら緑の生い茂る街を進むオープニングから微笑ましくて、その後も可愛いワンちゃんたちのエピソードが挟まれたり、美しいジョーン・フォンテーンの魅力が炸裂した純粋無垢なラブストーリーが描かれたり、ととにかくほっこりする1本。ただ、軽妙洒脱な会話劇、の印象はあまりなくて、ワイルダー作品としてはやはり異色に感じました。彼の代表作はどれもすごくテンポよく進むのもあって、ミュージカルだから歌が挟まれて物語の進行がストップしちゃうのがちょっと違和感あったのはそれが理由かな?
みおこし

みおこし