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エデンより彼方にのnonのレビュー・感想・評価

エデンより彼方に(2002年製作の映画)
3.5
【2017年レビュー】
「キャロル」トッド・ヘインズ監督作品ということで鑑賞。ジュリアン・ムーア扮する一流企業の夫を持ち周囲から羨望を集める主婦キャシーが突然夫にゲイを宣告され、優しくされた黒人男性に乗り移ろうとするが結局振られるというストーリー。同性愛と人種差別をテーマにしたドロドロしたストーリー。キャシーが痛々しい。ただ映像は綺麗で、キャシーの心理状況とドレスの色がリンクしていたのが興味深かった。紅葉、クリスマス、マイアミ、ラストの桜(ここは何となくわざとらしかったけど)。どうにもならない状況で親友に打ち明ける場面では暗い茶色のドレス、ラストでは赤のドレス。いちばん輝いている自分を表現しているんだろうな、きっと前に進もうという意味なんでしょうね。この作品が伝えたかったのは「物事のうわべに関係なく本質を見ること」なんだと思う。作品の中で、キャシーがレイモンドに「大勢の中の1人ってどんな気分?」て尋ねるのだけれど、その感覚がもう偏見や差別なんだろうなと思った。重い題材を間接的に色彩で表現していたり、滑稽に見せることで観やすくなっているのかもしれないと思った。
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