エデンより彼方にの作品情報・感想・評価

「エデンより彼方に」に投稿された感想・評価

57年当時の中年夫婦のクライシスを現代から観るとこれくらい、やってくれないと困るみたいな話。ところどころサスペンスな感じがいいですね。色彩設計もよく全体のトーンが当時のフィルムな感じ。エルマー・バースティンの音楽が全編に響き渡りここちよく、この夫婦崩壊と黒人差別社会が観てられる。この成功でスティーブン・ソダバーグは、ジョージ・クルーニーで「さらば、ベルリン」撮って失敗したんだなと製作陣を観て思いました。
アユ

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3.7
同性愛、人種差別、不倫など社会問題のあらゆる要素を描いている。
重々しく、孤独で、とても哀しかった。

鮮やかな景色や衣装が素敵。赤が印象的で強さを感じました。
順

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3.6
2000年代につくられているので映像はキレイだけど、1950の雰囲気がよく出ている。
Rio

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4.0
重たい話でした。
人種差別、同性愛について深く考えさせられます。
特にこの映画で描かれている人種差別は見ていて心苦しくなりました。
Shiori

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-
妊娠してたのか......全然気がつかなかった
55年の作品オマージュなんで、撮り方がめちゃくちゃ古い
あや

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3.5
上流階級の主婦であるキャシーは夕飯を夫の会社に届けに行く際に、夫が職場の男性とキスしているのを目撃してしまう。
一方で、キャシーは庭師のレイモンドとの距離も急接近していく。

50年代のアメリカが舞台。黒人差別のほか、ゲイへの偏見もまだ根強かった時代。
庭師のレイモンドは黒人であり、キャシーの友人たちはキャシーがレイモンドと会話をしているだけで眉をひそめる。
リベラルを自称するキャシーだけはレイモンドに対して分け隔てなく接するのだが、なんとなく「色の違う人たちに混じるのはどんな気持ち?」という質問も無意識の差別を感じる。
黒人に対して寛容な態度で接していて、ゲイであることを悩む夫に対しては理解しようとしないのは長年妻でいたからこそそう簡単に理解できないのだと思う。

オープニングのコネチカットの紅葉がとてもきれい。ジュリアン・ムーアのコートの色も綺麗だし同監督のトッド・ヘインズの『キャロル』みたいにハイクラスの奥様ファッションは見飽きない。
甲冑

甲冑の感想・評価

4.0
単なるオマージュではなくヘイズ・コード無き2000年代の米国からサーク作品を下敷きに1957年を描くという試みが面白い。画面や色彩、季節のコントロールが全編に行き渡っていてすごい。『天が許し給うすべて』は男の家で看病&窓に鹿エンディング(よく分からんが好き)であったが、こちらは友達関係すら続けられず別れて暮らすしかないのが遣る瀬なかった。
SeikaFilm

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3.0
1950年代を舞台に、同性愛者と人種偏見を描いた映画。

黒人と白人は友達にすらなれない。そんな時代だったという話でした。
Jeffrey

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3.5
「エデンより彼方に」

冒頭、1957年秋のコネチカット州ハートフォード。ブルジョワ家庭に暮らす主婦。一流企業に勤める夫。子供、理想の妻、オフィス、秘密、目撃、動揺、黒人の庭師。今、2人の関係が閉鎖的な街で大きなスキャンダルとなって行く…本作は近年ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラ主演の「キャロル」でさらに世界的に有名になったトッド・ヘインズ監督による2002年アカデミー賞4部門ノミネートし、同じ年にベネチア国際映画祭にて主演女優賞を受賞した名作である。この映画はダグラス・サーク作品に影響受けた鮮やかな色彩が終始映し出され、ブルジョワ家庭に暮らす主婦を待ち受ける困難の愛の旅路を描いた秀作である。これほどまでに四季の中で秋が美しいとは…と感じてしまう紅葉の風光明媚な土地柄が素晴らしい。


この度、BD化され漸く美しい画質で見れる時が来たとの事で、再鑑賞したが素晴らしい。去年ダグラス・サークのBOXが発売されて、今年はリメイク版と言っても過言ではないほどオマージュ的メロドラマである本作がBD化されて感謝だ。今となってはオスカー女優に輝いたジュリアン・ムーアやヴィオラ・デイヴィスが共演している。


本作は冒頭からダグラス・サーク監督の大傑作「天はすべて許し給う」とそっくりである。正にトッド・ヘインズ監督による尊敬と敬意=オマージュを感じとれる作品だ。まず、家のデザイン、中の家具、色(色彩)、木々、風景、キャラ…と全てにおいてあの見所を詰めた作品である。いや〜不意に上に上がるカメラの視線が堪らない。紅葉の庭の中に白い肌と黒い肌の男女の語りがなんて居心地がいいのだろうか…。オリジナルも庭師との会話が素晴らしかった。

正直、ジュリアン・ムーアは「アリスのままで」ではなくて本作でオスカーを受賞した方のが記憶に残ったな…個人の意見だけど。

それにしてもダグラス・サークの作品を当時見たファスビンダーが、彼のメロドラマにハマり、舞台をドイツに置き換えて描いた傑作「不安は魂を食いつくす」とは変わって、ヘイズンのこの作品は徹底的にサークの作品を忠実に描いている。舞台も50年代のハリウッドの世界を再現しているし。それにしても彼は初期作品の皮肉を含んでいる感じが、徐々になくなっているような気がする。

だが、本作に限ってはノワールメロドラマの秀作へのオマージュなども入り込んでいて、サークのもう一つの傑作「悲しみは空の彼方に」のキャスト名を本作の娘に名付けているところも面白い。

さて、物語はコネチカット州に住む一流企業の夫を持った主婦が、夫の秘密に気がつく。それは夫は実は同性愛者であると言うこと。そして時が過ぎて彼は奥さんの元から去っていく。やがて悲しみに明け暮れた彼女は庭師の黒人の男性に惹かれてゆく。だが黒人と言うことにより2人は世間から噂され、ひどい扱いをされていく…と簡単に説明するとこんな感じで、切ない台詞が沢山ある。


やはりキャシーとレイモンドが黒人が集うカフェで2人で踊る印象的なシーンは個人的には最高に好きだ。と同時にやはりファスビンダーの「不安は魂を食いつくす」の演出が彷仏とさせられる。この作品を少しでも気に入った方は、もちろんサークの本家本元は確実に見ておいて損はないし、ファスビンダー監督の上記のタイトルの映画もぜひ見て欲しいもんだ。後のアキ・カウリスマキ監督の作風の雰囲気が非常にわかる1本でもある。

それにしてもサークの作品の中には無かったジェンダー的な要素をヘインズ監督は本作にぶち込んでいる。それと当時の米国社会による人種差別を浮き彫りにしたシーンも多くあり、特に劇中でレイモンドが話す印象的なセリフがある。"この件に対しては両者ともに足並みを揃えている"と言う台詞だ。これは白人であるブルジョワの主婦とインテリ黒人の彼との細やかな恋愛に対する見解は黒人からしてもアウトで、白人からしてもアウトと言うことである。(実際にこの事柄により、男性の娘は石を投げられて気絶するシーンもある)この点は非常に考えさせられる場面であった。いわゆる年齢差と階級が下の人間との恋愛は当時の米国にとっては保守性が圧倒的に強く、叶う事は出来なかったのである…。

いかに白人、黒人の一線(ライン)を超える恋愛が恐ろしく困難なものかを伝えるには十分な作品である。さて、ジェンダーの話に戻るとデニス・クエイド演じるキャシーの夫フランクは彼女と結婚し、息子と娘がいるが、遥か昔に変な感覚に陥ったことを奥さんに暴露する。それは彼が同性愛者と言うことだ。この点、昔の作品にはそういった同性愛者の視点を描かれていなかったが、この作品は2002年のものだ。この時代はLGBTに対しての差別撤廃など様々な運動が既に始まっている時代である。監督は人種差別に加えて、ジェンダーに対しての差別にも問題化したかったんじゃないないかと思う。

この映画を見るにあたって評価が普通の人はきっとこの作品がどういったオマージュで作られているか、どういった経緯があったのか、監督のパッションがいかにどんなものか等をあまり情報として知らないと思う。この点はシネフィルは非常にありがたいなと思うであろう。その事柄を既に知っているのだから…。
STARLET

STARLETの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

ラスト、衣装が主人公の想いを全て語っていて、2人に言葉は必要なかった。
そして花が、新たな人生の始まりを予感させる。

《エデン(楽園)より彼方に 永遠に輝く場所を見つめて》

素敵な言葉。

トッド・フィリップスは『キャロル』でもそうでしたが、花を始めとする植物の使い方が上手で、観ていてときめきます。紅葉しかり、ゴージャスな使い方を知っているから、贅沢な気分に。
でも、撮影方法はなんか古臭いなぁと思って観ていましたが、ダグラス・サークの作品(メロドラマ)に敬意を表した作品とのことで、「なるほど!」と納得。1950年代の映画の雰囲気を出すための手法だったとは気が付きませんでした。
衣装は素晴らしかった。トッド・フィリップス作品の衣装にハズレ無し。
あと、画家ミロの作品についての解釈。
「宗教画とは全く違う方法で神性を描いている。全てをはぎ取った形や色の本質。ミロの絵には神を感じる」
勉強になります。そんな風にミロの絵を見たことありませんでした。
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