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SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのmoeriのレビュー・感想・評価

4.1
老若男女問わず、見てほしい映画。
口を閉ざしてしまった人の希望になる映画。

巨大な権力や華やかな世界でなくても、身近な日常社会でもこういうことが起こり得るんだと、知ることのできる作品です。

何年か前(だいぶ前?)の「スポットライト」を思い出しながら観ました。
圧倒的な力の差を悪用して弱い立場にいる人の夢や希望を奪う卑劣な手口を、根気強い取材で突破した二人の女性記者たちを描いたストーリー。
進んでは壁に阻まれる展開は、池井戸作品のよう。

後半に進むにつれ、関係者や登場人物が増えてくると少し分かりづらくなりますね。
音声のやり取りだけでも十分気持ち悪かったけど、もっとワインスタイン陣営の醜悪さを描いても良かったと思います。

力関係があるところには、大なり小なりハラスメントがあるもの。
職場で声を上げるには、システムが整っていてもものすごく勇気がいるし、できる人のほうが少ないと思う。
あのときの私はどうすればよかったのか。
一個人として声を上げることの怖さが分かります。だからこそ、マスコミが発信し続けることが大切です。誰かの希望になるから。
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