フクイヒロシ

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのフクイヒロシのレビュー・感想・評価

4.0
たまたま『ウーマン・トーキング 私たちの選択』を観た後だったのでとてもシンクロしていました。

ていうかどっちも現代の話なんだけど…。
むしろ1992年から始まる『シー・セッド』の方が古い。。
どうしても『ウーマン・トーキング』が1800年代くらいにしか見えなくて。。

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MeToo自体はアメリカの市民活動家タラナ・バークさんの活動をきっかけに2007年から地道に「MeToo」が提唱されてきた、とのこと。

世界的ムーブメント#MeTooが起こったのは2017年。
ニューヨーク・タイムズの記者ジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーが映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ告発記事を発表したことがきっかけ。

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映画界がきっかけだったし世界的なニュースでもあったので、もちろん情報はたくさん入ってきてました。

ただ、特に日本では#MeTooを潰そうとする言説も目立っていたし
冷笑系も多かった。

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ワインスタインの事件の流れが時系列で描かれていたので、とてもわかりやすかった。

ラストでは、問題意識を再認識しつつも
ある種のカタルシスも感じられるので
社会派エンタメ作としても楽しめました。

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記者が2人とも女性だったのが「彼女たちが話し始めた」という結果に早く結びつけた大きな要因の一つだと思う。

そもそも男はこの問題に取り組めたかどうか疑問だし
同じ女性だからこそ取材する側もされる側も信頼できる部分もあったのでは。

てことは、ニューヨークタイムズで記者としてバリバリ働く女性がいたってことがとても大事なことなんですね。

『ウーマントーキング』での女性には学校に通わせないってのはかなり極端に思えるけど
実際そういう国もまだあるだろうし
受験で女子生徒の点数を低くしていたのは日本だし、
女性の社会進出を邪魔する動きや思想はいまだにある。

だからこそ、女性が働く現場にたくさんいるってことが、女性の声が無視されない社会の形成には大事なんだと思いました。

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特に
この映画は原作も女性(記者の2人)、
監督も脚本家もプロデューサーも女性。

『ウーマン・トーキング』も原作、監督、脚本家、プロデューサーが女性。