ゆず

地下室のヘンな穴のゆずのネタバレレビュー・内容・結末

地下室のヘンな穴(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

その穴に入ると"12時間進み3日分若返る"という不思議な穴。
40代の人が20代の若さを取り戻すためには何回穴に入ればいいのだろうか。
 20年→7305日(閏年含む)
 これを3日で割ると2435回である
 1回12時間かかるので、実時間29220時間→1217.5日→3.33年
3.33年を失う代わりに20歳分の若さを手にすることができる。

上の計算では食事や睡眠にかかる時間を考慮していない。仮に1日1回穴に入るとして、6.67年かかる。なんにせよ、2435回は眩暈がする数字だが、不可能な数字ではないことが分かった。継続は力なり。

ただし、若さを取り戻そうと3〜6年間、ひっきりなしに穴に入っている間、残されたパートナーはとても寂しい思いをすることになる。
共働きの夫婦なら毎日12時間会えないのも珍しくないのかもしれないが、この問題が特殊なのは、穴に入った者にとっては12時間は数秒だということだ。
つまり、時間感覚が夫婦間で決定的に異なってしまう。同じ時間を生きられなくなってしまう。毎日顔を合わせていても、その"毎日"の意味が二人の間で異なるのである。
とても夫婦生活が営めるような状態ではない。これなら別居中のカップルの方がまだマシだと思う。気持ちはすれ違っても、同じ時間別居していたという経験を共有できるのだから。

そんなわけで、不思議な穴の濫用は控えるべきである。
私がオススメするのは、週末を使うなどして週2回、穴に入る使い方。これならば、1週間分の老化を土日でリセットできるし、家族との時間を充分にとることができます。休日にうっかり昼まで寝てしまったぐらいの感覚で、アンチエイジング、完璧な現状維持をできるのは魅力ではないでしょうか。
えっ、身体の中がアリになってしまうのは嫌だ?
ハッハッハ、たしかに抵抗はありますが、アリもヒトも生き物であることに変わりありません。同じ命ですよ。ペニスを機械化するよりもよっぽど自然なことですよ、お客様。
ゆず

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