スティーヴン豆腐

イントゥ・ザ・ラビリンスのスティーヴン豆腐のレビュー・感想・評価

イントゥ・ザ・ラビリンス(2019年製作の映画)
3.2
前に観た『霧の中の少女』と似た雰囲気だと思ったら監督・脚本が同じ人だった。

・15年前に誘拐され「迷宮」に監禁されていた女
・ウサギ頭の怪人(ドニー・ダーコ?インランド・エンパイア?)
・存在しない筈のカルトコミック
・余命僅かな探偵と彼の身を案じる娼婦
・行方不明者捜査局の男と寄り添う少女

等々、聞いただけで涎が出てきそうな設定のオンパレードながら、これら総てが有機的に絡み合うことで、映画全体の面白さに寄与していたとまでは思えなかった。取り敢えず思い付いた端からブッ込んでみた、みたいな。

ある主要人物の途中退場と、そこから始まる怒涛の答え合わせパートは見応えがあったが、真相に関わる幾つかの要素は、既にSAWシリーズで個別に使われた仕掛けを連想させてしまったことが惜しまれる。

なお、真相の鍵となる情報は、観客が違和感を覚えるよう序盤から分かりやすく小出しにしてくれているので、ミステリー作品としては親切設計な方かと。