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イントゥ・ザ・ラビリンスのbluetokyoのレビュー・感想・評価

イントゥ・ザ・ラビリンス(2019年製作の映画)
3.4
時間と場所と値段の消去法で選んだけど、意外と面白かった。サイコサスペンスもの。
ダスティンホフマンが出ていたのね。ずいぶんとずんぐりしたなあ、と思ったら、そっちじゃなくて、警察署専任の精神分析医だったのか。
ラビリンスなのだが、話自体もラビリンスなのでちっともわからん。結局、夢オチなのかな。

15年前に誘拐された女性、サマンサが、監禁場所から自力で脱出したのか、犯人の意図で解放されたのか、あるいは両方なのか、身元を警察に保護された。足を骨折していたが、他は大丈夫みたいだ。だが、記憶を消されていたわけだ。そこで、警察に依頼された精神分析医、グリーンが、治療と事件の全容、犯人像の捜査のために派遣されてきた。

一方、この誘拐拉致事件を、私立探偵、ブルーノが捜査する。いつもは、というか、本業は、借金の取り立てらしい。

被害者、サマンサと精神分析医、グリーンの話、事件を追う私立探偵、ブルーノと事件に関わった犯人側の人物たちの話、これら二つのストーリーが交互に進んでいく。しかし、二つのストーリーは平行線で交わることはない(最後に交わるが)。たとえば、グリーンがブルーノに電話して情報交換する、ということはない。別々の話といっていい。といっても、完全に別というわけでもなく、一粒で二度おいしい、みたいな感じだ。

サマンサ、グリーンの方は、サマンサの拉致監禁の状況がメインであるが、途中から、なんかこういうオチなんじゃないかなとは感づいてしまって、結局、そうなるわけだが興醒めするといったことはない。ダスティンホフマンのとぼけた演技が上手いからなのかな。ホラーのテイストである。

私立探偵、ブルーノの方は、もう、行く先々で、クセの強そうな人物に出会って、もう止めておいた方がいいんじゃないの、と見ているこちらがハラハラしてしまう。だが、ブルーノは不治の病らしく、二カ月前に、余命二カ月と診断されたらしい。もう、ダメじゃん、という健康状態なわけで、だから、多少危険な状況、やばそうな人との接触も、平気なわけである。
オチもストーリーも違うけど、雰囲気は、ミッキーロークが主役を演じたエンゼル・ハートに似ているような気がする。

とくにブルーノのパートは、まるで、悪夢のような幻想的な感じがこれでもかと続出していて面白い。
ブルーノパートのヒロインの、娼婦(?)、リンダは、美しくていい。

ブルーノが病気で弱っているというのに、警察関係者が、いつも、二人連れ出てくるのだが、その片方が、喧嘩腰で、なにかというと食ってかかるのが面白い。私立探偵が嫌いなのか、ブルーノが事件の本質を突いているのか。

行方不明の多くの子どもらの資料を保管しているらしき部屋にいる、専任の警察官(?)、実は重要だったりする。そこらへんの見せ方、誘導の仕方はいい感じである。
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