2004年に惜しくも亡くなられ、サスペンス小説のヒットメーカーであり脚本家としてもヒット作を連発した野沢尚さんの小説「リミット」を韓国で実写映画化した作品。日本でもご自身の脚本でテレビドラマ化してましたね。
原作は昔ではありますが、もちろん読んでいます。韓国映画と相性が良さそうな話しと思っていたので期待したのですが…。
母の子への思いと警察官としての職務という原作の深いところには届かず、さらっと表面を撫でたような印象。
最初、主人公ってあんなにやる気ない感じじゃなかったと思うんだけど…。
主人公役のイ・ジョンヒョンさんのそんなに美人過ぎない普通な感じが役に遇っていました。
サイコパス兄妹がなかなかのキャラクターで、ムロツヨシさん似の兄の冷酷さが盛り上げていました。
最初は他人事と思っていたのが、自分の息子が誘拐されてから本気に。
微妙な脚色で結局みんな自分の子どもだけは可愛いみたいに見えてしまうのが残念。韓国映画といえばアクションなのですが、無理に詰め込んだせいでハラハラさが薄れ強引さが際立つ事に…。主人公も強いんだか弱いんだか中途半端…。
原作の鋭く抉るテンポが速いスリリングさは無くなり、韓国映画らしい人間の醜い部分を描く事で独自の路線ですが、原作と似て非なる物と思った方が良いと思います。
「リミット」として観なければ面白いと思います。