なれるにこ

ストーリー・オブ・フィルム エピソード7. 西ヨーロッパ映画の革命のなれるにこのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

【1957-1964 新たな衝撃、西ヨーロッパ映画の革命】

四人の私的な映画の担い手
イングマール・ベルイマン
『鏡の中にある如く』『サラバンド』フォントリアーいち押し、言葉がよい
テーマ:触れることと死。劇場
『不良少女モニカ』性的な表現、瞬間の大胆さ、背後を真っ暗に。
『第七の封印』感性で神に語りかける。
『冬の光』神の死。自伝的要素。
『仮面/ペルソナ』茶番・暴力・不穏な潜在意識が深層から噴き出す描写、物語を語るのではなく映画が物語。

ロベール・ブレッソン
人生を「破るべき監獄」ととらえる。
『スリ』撮り方や人物に際立った特徴や派手さはない、「創作は足し算ではなく引き算」、制限された語り口、主人公が全てのシーンに登場し主人公が見聞きしたことしか観客はわからない、「物事は反対のことに現れる」
『バルタザールどこへ行く』感情の読み取れないロバの顔
彼の映画は神への道、映画製作は恩恵への道筋
理解を超えたものを見せようとする。
監獄の比喩。人は体という監獄にいて、そこから逃れれば神に近づける。

ジャック・タチ
チャップリンへのアンサー
物語性を嫌い、出来事やディテールを好む。物語とはとりとめのない出来事をどう説明するかであり、説明的な物語など必要なくただ出来事があるだけ。
『ぼくの伯父さん』近代化を笑いものに。
クローズアップは使わず、引きで社会の全体を見せる。
情景と瞬間のジグソーパズル

フェデリコ・フェリーニ
サーカス。色彩や構築された世界。
『カサノバ』
『カビリアの夜』神は派手な装飾だけの存在、感情が変転するラストシーン
『8 1/2』
影響:ウッディアレン『スターダスト・メモリー』
神話とセックス、記憶と歓喜


四人が作った新たなヨーロッパ映画の形をフランスの監督が徹底的に爆破
ヌーベルバーグ
映画への情熱と実存主義の融合、最初の映画大学世代、知的で自覚的

アニエス・ヴァルダ
「都会の放浪」というヌーベルバーグのテーマの片鱗。
『5時から7時までのクレオ』映画に思考を乗せる。

アラン・レネ
『去年マリエンバートで』記憶・物語・真実の懐疑や不確実性。

フランソワ・トリュフォー
『大人は判ってくれない』ゾートローフ(回転のぞき絵)のよう、生を描く、自己認識とつかの間の時間や曖昧さ

ジャン=リュック・ゴダール
映画テロリスト。映画とは少年が少女を撮るものであり、男はいつか来る死を心配し女は無頓着。登場人物を世界から切り離すクローズアップを愛用。
『勝手にしやがれ』ほとんど変化がなく心情変化を示さないカット、映画が伝えているのは「女性が車にいる」ではなく「この瞬間を美しいと思う」「真実だと思う」、ショットは監督の思考、女性への視線はハリウッドの虚構時代に通じる保守性。
『恋人のいる時間』⇒ポール・シュレイダー『アメリカン・ジゴロ』空間と体を細分化


60年代イタリア
ピエル・パオロ・パゾリーニ
『アッカトーネ』クローズアップ・ミディアムショットが好き、神性なものを感じ取る監督の感性
『奇跡の丘』ドライヤーの影響による簡素さ

セルジオ・レオーネ
『荒野の用心棒』テクニスコープ
『ワン・ス・アポン・ア・ウェスト』未来を待つ、列車が未来を運ぶ、ゴダール同様映像そのものを楽しむラストシーン
影響:サムペキンパー、『時計仕掛けのオレンジ』、バズ・ラーマン『ロミオとジュリエット』

ルキノ・ヴィスコンティ・ディ・モドローネ公爵
『夏の嵐』得意のクレーンショットを貴族生活への批判に使う
『若者のすべて』貧しき者への共感
社会階級の歴史オペラ

ミケランジェロ・アントニオーニ
人生をより抽象的に”画面の端”で描く。アメリカの抽象絵画にくわしい。
『太陽はひとりぼっち』現代生活の空虚さ。
『さすらいの二人』空間が主役、登場人物は外側へと発散、長くスローな抽象的ショット。
影響:ミクロシュ・ヤンチョー、タル・ベーラ、テオ・アンゲロプロス
テオ・アンゲロプロス『旅芸人の記録』


60年代スペイン:コメディの波
『車椅子(原題)』老人の生活という社会問題を笑って見せる、リアリズムと皮肉の組み合わせ「エスペルペント」
影響:『グロリアの憂鬱』
ブニュエル『ビリディアナ』

60年スウェーデン
ヴィルゴット・シェーマン『私は好奇心の強い女<イエロー版>』キング牧師との対話を演出。


『ママと娼婦』