これは父親と息子の和解の話・・・・なのか？

フランクリンは自殺癖のある20代後半くらいの男。引きこもりで、未だに母親と暮らし、グループセラピーに通う日々。そんな時、フェイスブックで可愛い女の子から友達申請が来る。最初は疑心暗鬼だったフランクリンだが、このベッカという女の子と心が通じていく。

ところが、このベッカはフランクリンがフェイスブックをブロックした父親のチャックの「なりすまし」だった！チャックはフランクリンと時を過ごす約束をしてはドタキャンするを昔から繰り返してきた人で、離婚後フランクリンとも疎遠になっていたのだが、成人したフランクリンは変わらない父親に耐えられなくなり、とうとうフェイスブックをブロックしたのだ。

チャックはパットン・オズワルドが演じているので想像つくと思いますが、冴えないルーザータイプ。離婚後は一人でアパート暮らし、いい年して壁いっぱいにレコードジャケットを飾っていて、ヒューマン・リーグのファンらしい（笑）。

会社の同僚ジミー（リル・レル・ハウリー）に息子からフェイスブックをブロックされたことを話すと、「俺がガールフレンドからブロックされたときはなりすましアカウントを作った」という話を聞いて、落ち込んでいるときにやさしくしてくれたウェイトレスのベッカのなりすましアカウントを作る。

このリル・レル・ハウリーが、良くある黒人のコミック・リリーフ的キャラなんですが、なかなか面白いんです。チャックがベッカに成りすまして、息子のフランクリンとロマンチックな関係になっていくのを聞いて「変態か！」って（笑）。「お前がサジェストしたんじゃないか！」って言われると「俺の場合はガールフレンドだったけど、お前は息子だろ？！」とツッコむところがベタながら笑える。

フランクリンと「チャックが成りすましている」ベッカがテキストで交流している場面は、ベッカがフランクリンの隣に現れて、リアルで会話しているように見せて表現しているのですが、それが、「ああ、きっと孤独な人たちにはこんな風にリアルに感じるんだな」って感じが良く表現されていて、なかなか上手いなと思いました。

そんでそれが、後半「実は父親だった」とバレた後、ベッカのイメージが全て父親の（しかもパットン・オズワルド）のイメージに変わって再現されるんですけど、確かにめちゃ笑えるんだが、心底気の毒でもある。

この話は、フランクリンを演じるジェームス・モロシーニの経験が基になっていて、彼が監督・脚本で、パットン・オズワルドがプロデューサーの一人。なんでも、ジェームス・モロシーニのお父さんが成りすました女の子とフェイスブックしたのは本当に起こったことみたいなんだけど、モロシーニが自殺癖があったとか、他のことはどこまで創作なのか良くわからない。

ベッカを演じる娘がすごい良くって印象に残っていたので調べたら、なななななんとこの娘、ビリー・アイリッシュのお兄さんのガールフレンドなんだって！クラウディア・スルスキーって娘で、ビリー・アイリッシュのお兄さんのPVの監督したこともあるらしい。ハリウッド～！！

劇中ではフランクリンがメンヘラっぽいので、ベッカが成りすまし、しかも自分の父親ってわかった時、もしかしてすんごいことになるのか？！ってちょっとハラハラするじゃない？

ネタばれはコメント欄で！

親子関係が破綻した父親が、息子の近況を確認するために女性になりすまして近づくと言うコメディ。

最初から矛盾するところがあり、また最後はすべてが息子にバレるが、結果的にはハッピーエンドという事でいいでしょうか？

B級ホッコリネタ映画