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Pearl パールのmanacのレビュー・感想・評価

Pearl パール(2022年製作の映画)
4.0
『X エックス』がイマイチだったのであまり期待せずに観たのだが、期待を大きく裏切られた!
ミア・ゴス凄いわー。

Xとの繋がりが見えてきて、急にXにも深みが出て愛着が湧いてきた。
Xでパールがマキシーンに自分を重ねたポルノ撮影現場も、Xだけでは気味の悪いババアに過ぎなかったが、Xを見てみるとなるほどカカシと致していたご自分を重ねたのですね。それならなんだか納得ができる。
パールが金髪嫌いなのも本作で理由が明かされる。
例のワニもちゃんと出てきますよ!

そして何よりも驚かされたのが、ミア・ゴスの怪演ぶり!
最初は夢見がちな大人しい少女のように見えるが(この時点で既にパールは既婚者ではあったけれど)、さっくりアヒルを殺害する辺りに異常者の片鱗が覗いている。
そのうちどんどん異常性が増してきて、思い通りにいかないとヒステリックにキレる様は単純に「怖い」と思った。
ダンサーになるためのオーディションに落選した時の号泣ぶりが激しい。鼻水ブラーンと垂らしながら泣いているんです。こんな泣き方漫画でしか見たことない。過去いました?そんな演技している女優。鼻水が流れ出ている人はけっこういますけど、ぶらーんと垂れ下がってゆらゆらさせている作品は記憶にありません。
そして橋田寿賀子バリの長台詞を延々と一人語りするシーン。ここでハワードとの関係が明かされたりもする。
Xでは何故かパールのために何でもしてあげる無償の愛を見せていたハワードでしたが、出会いはこんなんだったんですねぇ。ハワードの女性の好みが謎なのは相変わらずだけど。
そして、ラストのミア・ゴスの顔芸が凄い!
カメラに向かって笑顔を向けるのだが、それが延々(2分くらい?)と続くんです。たぶんワンショットだと思う。しかもすこーしずつ表情が泣き顔に変化していくというハイレベルな演技力。
世界中の女優賞を与えたい。
この顔芸だけでもこの映画を見た価値はあったと思う。

それにしても、ハワードはパールの本性を知ってよく逃げなかったよなー。
ハワードもちょっとオカシイ人なんだとは思う。

Xがイマイチだった人にも是非ご覧頂きたい。
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