映画の謳い文句では、純朴な少女がいかにしてシリアルキラーへと変化を遂げたのかというような文章がある。しかし、初めから純粋無垢な夢見る少女ではあるが、気に入らないことがあるとすぐにガチョウを刺し殺している描写から始まるため、変化の様子を見ていくという気分にはなれなかった。最後の方に、してはいけない過ちをしたと告白する場面があることから、罪悪感を持っていることは伝わるが、やはり納得できないと殺しにかかることから、二重人格かあるいは感情が高まると制御が効かなくなる、、いや殺しを悪いと本当に思ってはないのではないのだろうか。
夫が兵役に出て行ったことからこのような行いをするようになったとの告白があった為、夫との生活から変貌していく様子までが見たかったとも思う。しかし、夫につけこもうとしていたのも、結局は抑圧された家族関係が原因のため、すべての原因は家族環境なのが窺える。パールは誰と出会っていようが、こうなる道しかなかったのかもしれない。
色合いが鮮やかで、自然の中で起こる殺しというのが恐怖を煽っていて良かった。撮り方、カットの切り替わり方もぐだぐだしていなくて見やすい。純粋に主人公が殺しに出る場面に怖がる映画として見るのが一番面白いと思う。
