いぬ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のいぬのレビュー・感想・評価

4.0
ちょっとゴジラっぽい話だなと思った。
ゴジラと同じくらいファンタジーだけど、何かゴジラより有り得そうな未来という感じ。
母艦の襲来も、冷戦状態の戦争だと思えばかなり現実味が湧いてくる。相手にも言語があり、生活があるが、何を言っているか分からないから恐怖を感じて攻撃する。相手に攻撃の意思は無かったとしても反撃に出ることで結果戦争になる。

作中の回想シーンで門出ちゃんが自身の正義の為に人を攻撃する事も躊躇わなくなっている場面がより戦争の激化を表していたように思う。人には人の正義があり、それを遂行する為に悪意無く人を攻撃し続ける事ができる。悪気がないからこそ難しい。中立であることがいかに大事で、いかに困難かを痛感した。
そんな中で善悪の中立にいたのが門出ちゃんの好きだった担任の教師ではないかと思う。彼は教師でありながらも生徒を家に招き入れるという悪を犯しながら、一線は超えず、門出ちゃんを嫌な気持ちにさせないという善を行っていた。見方によっては最低な教師だし、最高の教師でもある。これこそが人間だろう。誰しもが善悪を持ち合わせており、それは見る人によって捉え方が全く変わる。それを理解していないと一つの物事だけで相手を決めつけてしまい自身の正義を押し付ける形となってしまう。争いごとを減らすにはこうした認識をする事が大切なのではないだろうか。
いぬ

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