Lily

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのLilyのレビュー・感想・評価

4.7
まず、大島育宙さんが紹介してくださらなかったらスルーしてしまっていた作品だったので、
今作をYouTubeで取り上げてくださった大島さんに感謝!

人生ベスト映画の仲間入りしそうなくらい、
自分にとって大切な映画の1つになった。

「悩みや愚痴、辛かったことを誰かに話すと、
その相手もネガティブな気持ちにせてしまうかもしれないから、そういうことは話せない・話さないでおこう」

「でも相手がそんな風に思っているなら、話して少しは楽になるなら、私にはぜひ話してほしい」

という2つの思いが作中でも言及される。
でも、確実に話すこと、対話することは救済になる。

私自身このことはよく考えるし、
こういう感覚には非常に共感できる。

そんな、繊細な あるいは気にしいな人、
考えすぎちゃう あるいは考えて生きることを強いられてしまった人、
傷つきやすくて優しい、生きにくさを感じる人に、
もっと届いてほしい・ぜひ観てほしいそんな作品。

男性としての生きづらさ、
女性としての生きづらさ、
LGBTQとしての生きづらさ、
この3つが描かれた作品を私はあまり観てこなかった気がするので、この点においてもとても好きだった。

また、会話をはじめコミュニケーション(特に「ぬいサー」という略称のくだりや、商店街を歩く2人の感じ)がとっても自然かつリアルで、、俳優さんたちの演技が素敵だった。


最後に。
パンフレットを手元に置いておきたいと思える作品にかなり久しぶりに出会うことができて、
しかもそれを劇場で観ることができたことが嬉しい。

23・012
Lily

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