たかはた

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのたかはたのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

左京区と立命館とを両立させようとするのは欲深いと思う。なぜ私がこんなに方言や地方表象にこだわるのかはっきりとはわからないけれども、方言はそこに私や私たちがいることの指標になっていて、だから無くなっていたり軽いものになっていると思ったより傷付いてしまう。京都はこんな感じでもありこんな感じじゃなくもあるけどそれは東京にとって知ったこっちゃないことなのかもしれない。/部員は皆同じような様式でぬいぐるみにしゃべりかけるけれどもそれは私のとは違っていてな。私はここに居る居方がわからずまごまごしている。私はこの人達の大事大事なものを同じくらい大事にすることにおそらく失敗するだろうから。このぬいぐるみたちはスクリーンととても親和しない。/Aceな場所は私も大好き。(so fragmented 文章)

「『話くらい聞くよ』と簡単そうに言うが、話を聞くという行為が世界でいちばん難しいやろ」と思っていたギリ10代だった私ならとても違った感想を語りそう。もし一緒に感想を考えるとしたら。先に言ったように、他者がとても大事にしているものを自分も同じくらい大事にすることは人間にとってとても難しいことであるからこそ、またはそれを自覚しているからこそ、①本作での京都は現実感が保留され、②部員はおしゃべりサークルではなくぬいサーに集い、③私は居方が分からずまごまごしたのかもしれないね。
たかはた

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