たたみ

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのたたみのレビュー・感想・評価

4.0
この酷薄な世界でどうしても残酷さに耐えられないし、目を背ける事やスルーする事すら出来ない繊細で臆病な人間に寄り添う、上質なファンタジー。
ぬいサーの部室の中がサナギの繭or母親の胎内かの様な自閉したインナースペースで、ファンシーなのに独特なグロテスクさを醸しているのが素晴らしい。

一方で、劇中には露悪的な形での悪者はほぼ出て来ず、いたとしてもボタンの掛け違い、ノリが違いすぎる故のすれ違い程度でしかないのが、良いバランス感覚。

どうしたの?良かったら話を聞くよ」
とゆう言葉。自分は他人に屈託なくこの言葉をかける事が出来るのだろうか?と見終わった後に考えてしまった。
それと同時に、こいつら繊細過ぎて、社会に出たらどうやって折り合いを付けてくんだろうな?とゆう邪念も感じなくは無い笑。
そういった観客の目線はほぼ白城ちゃんが代弁してくれてるのも、周到な作りに思えた。
たたみ

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