リルミ

美と殺戮のすべてのリルミのレビュー・感想・評価

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)
4.0
トリガーワーニング/ジャンプスケア:自殺、虐待・DV、現実的な人の死、セクシャルマイノリティに対する差別の言及
精神的に落ち着いてる時の視聴をおすすめします。

自らがオピオイド中毒当事者であったナンの半生から、マイノリティを救い出す事も、「殺戮」にお墨付きを与え、加担する事もある「美」の両義性が描かれており、そしてそれは政治とは不可分な事が実際の事例を持って明らかにされている。
また、終盤のサックラー家との直接対決が筆舌に尽くし難い程壮絶。ナンやその周りの振る舞いを見ていて胸が苦しくなりそうだったし、劇場を出た後もしばらく呆然としていた。正直かなり精神的にしんどくなる内容ではあったが、映画という「美」を愛好している者としても見る意義はとても強かったと思う。
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