2022年11月18日公開、12月16日ネットフリックスで配信開始。
監督はアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。
LAで活動する著名なジャーナリスト件ドキュメンタリー映画監督が、国際的な賞を受賞し故郷のメキシコへ帰ることになるのだが、アイデンティティやら家族やらでモヤモヤするお話。
メキシコの美しい景色の中、現実と妄想が入り混じったような映像が展開し、主人公が正気なのか心配になる。電車の中が水浸しになったり、誰もいない部屋で誰かと口を閉じたまま会話してたり、普通に怖い。
監督の自伝的な要素もあるらしく、頭の中に浮かんだ記憶や妄想をそのまま映像化したような無理矢理感が炸裂してる。
アレハンドロ・ホドロフスキー監督の「リアリティのダンス」のヤバさをかなり薄めて、ショッキングなシーンをカットしたようなイメージ。妄想をそのまま映像化しちゃう感覚は、フェデリコ・フェリーニ監督の「8 1/2」を彷彿とさせる。
テレビ局でミュージカルのような撮影現場に紛れ込むシーンなど、はっとさせれるような美しい映像も何か所かあったが、物語としてはおっさんが悶々としてるだけなので地味。
エンターテインメントとして盛り上げようという気配がなく、撮影中も完成して鑑賞しても監督が一番楽しいんだと思う。
2時間54分あるので、気合を入れてどうぞ。