はむ

サントメール ある被告のはむのレビュー・感想・評価

サントメール ある被告(2022年製作の映画)
4.3
パンフレットに「実際の裁判記録をそのまま台詞に使った」とあって納得。
法廷劇においての計算された台詞に導かれるドラマチックな結末などは全くなく、論理的ではなかったり辻褄が合わなかったりといった証言の中にあるその瞬間瞬間に吐き出される説明のつかない感情そのものに心を揺さぶられた。

“子供を殺してしまった母親”と自分との境界線は何処なのか、彼女の何を理解すればいいのか、法廷にいる全ての女性たちと一緒に打ちのめされるような体験だった。

ラストシーンのある人物の台詞が今も忘れられません。なんとも言えない後味を残す作品。すごい。
はむ

はむ