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ホワイト・ノイズのtorumanのレビュー・感想・評価

ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)
3.7
『マリッジ・ストーリー』『イカとクジラ』のノア・バームバック監督最新作にして問題作です。

大学教授のジャック(アダム・ドライバー)と妻のバベット(グレタ・ガーウィグ)、4人の子供たちとのパニック・スリラー・コメディ⁇です。

アダム・ドライバーとグレタ・ガーウィグ(監督の奥様)は、バームバック作品の常連。
監督の演出・テンポを心得た演技です。
特に、アダム・ドライバーは、ぽっこりお腹のメタボな体型になりキュートです。
ヒットラーを研究テーマにしている人気教授を演じており、一生懸命ドイツ語を練習する様も微笑ましいです。

冒頭の台詞が被りながらの家族の会話。
ちょっと毒のあるウィットに富んだ内容。
今までの監督テイストが遺憾無く発揮されています。
しかし、その後は今までの作品から想像もつかない展開へ…

3部構成になっている本作。
1部で癖の強い家族、大学の同僚を描きながら、80年代の時代性を平行して描きます。
いかにも監督らしい人間観察と台詞で描かれます。
大学講義での車のクラッシュシーンに対する人間心理の考察とか面白い。

2部ではパニックの発端となる大事故と、惨事から逃れようとするジャック一家のスペクタクルな脱出行が中心です。
中々凄い事故の描写、スペクタクルな俯瞰映像、キレの良いアクション。
Netflixが沢山お金出しているのが分かります😆

3部では急展開!
1部2部で示唆していた死の恐怖について正面きって描かれます。
演出はコーエン兄弟を彷彿させる恐怖とオフビートコメディが混ざったタッチ。
正にバームバック監督の新境地でした。

原作の影響もあると思いますが、今までのバームバック監督作品を期待すると裏切られます。
まずは気持ちをリセットしてご覧ください。

エンドロールが最高です。
楽しくて、可愛くて、PVがあったら繰り返し観たくなります。
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