独創的かつシュール。突き付けられるリアリズムとファンタジーの狭間で非リア充青年になりきった吉沢亮の雰囲気と演技が物語を牽引し、観客を2時間座らせる。
裏を返せば、設定の割には一つ一つの展開が地味に感じられるし、全体としても無難にまとまっているので身も蓋もない言い方をすると「普通」。人に勧められる要素を言語化しづらい作品ではある。
何%かの観客に嫌われるのを覚悟であと一歩突き抜けても良かったのかも。
田中カイザー役の中川大志が良い。頭悪そうで調子いい野郎にいい味出ていて、次第に愛着湧いてくる憎めないキャラをイキイキとやっている。
福田雄一色は薄く、クリスマスネタだからといって決して「リア充対反リア充」みたいに単純な構図では描かないので安心だ。