合唱サークルでリーを目撃して以降、全てアーサーの妄想なんでしょうね。
誰にも告白してなかった母親殺しだけが、実際にアーサーが犯した事件で、その他の事件はすべて妄想。ジョーカー1作目で論議を巻き起こしたその辺りの答えをトッド・フィリップスが視聴者に突きつけた作品だと思います。全部、アーサーの妄想だよ、と。
刑務所で看守たちに慰み者にされ、ジョーク好き(JOKER)で毎日のジョークひとつと引き換えにタバコ1本を恵んでもらえるアーサー。母親殺しの模範囚が合唱サークルで数年ぶりにシャバの女性に出会い、「もしも彼女と恋に落ちたら?」と5人の殺人事件同様の妄想を生かして、自分の(あるはずもない)類まれなる歌唱力〜テレビでの冠番組出演〜リーと脱走〜独房で結ばれて結婚〜妊娠〜裁判〜爆破事件〜脱獄、そしてリーとの別れまでを夢で経験する。そして、最後の悲劇。
見直してみないとハッキリしませんが、ラストの犯人は刑務所の娯楽室の雛壇で最初から虎視眈々とアーサーを狙っていたような気がします。
アーサーがジョーカー役を継がせたかった自分の子供ではなく、アーサーを刺した彼が次のジョーカーを継承したということか、と。
一歩踏み外せば誰もがジョーカーになりえる……。
The JOKER is Me……
【補足】
※ホアキンの歌声はクセになる!
※レディ・ガガのいっちょ噛み感あるキャスティングが最初から気に入らなかったんだけど、監督が「アーサーがTVで(もしかしたら)見たことがあって妄想しそうな女性歌手」みたいなイメージを視聴者に無意識に与えるためのあえてのキャスティングなのかと思う、など。