羽目を外し過ぎた飲み会の翌日に、自己嫌悪で頭を抱えるような続編。思いきり梯子を外された。みんなが期待していたカリスマとしてのジョーカーはそこにいない。カリスマどころか、死を待つだけの老人にすら見える。それでも世間はジョーカーというアイコンを勝手に神格化して煽りに煽る。暴れるジョーカーを期待していた我々も、そんな大衆の一人に過ぎないと、トッド・フィリップスに説教食らったような気分。その捌け口のように挟み込まれる妄想やミュージカルシーンに僅かなカタルシスを貰う。みんなが期待したジョーカーの物語ではなかったが、アーサーの物語としては充分な見応えがあったし、何より体温を感じた。
「皆、道化師がいればそれでいいのさ」