"お前、思ってたんと違ったな。"
前作で5人(本当は6人)殺した"ジョーカー"ことアーサー・フレック。現在は逮捕されアーカム精神病院に入れられていた。そんなある日アーサーは"ジョーカー"のファンだと言う女性と知り合い、2人は交流を深めていくのだが…。
賛否分かれるのは分かる。が、自分にとっては完璧なジョーカーの続編だと思った。
今作ではジョーカーの大暴れが基本的に無いので、それを期待していた人たちは「思ってたんと違う…」ってなったと思う。
そして、劇中の登場人物達もある事がキッカケで「思ってたんと違う…」ってなる。
おそらくこれは観客と劇中人物たちの感情がリンクするように作られた、皮肉たっぷりのブラックコメディなのではないだろうか。
そして前作「ジョーカー」を生み出してしまったトッドフィリップス監督が、自分の生んだものに対して落とし前をつける為の作品でもあると思う。…ただし撒かれた悪意はもういろんなところで芽を出してしまっている。
それにしても今作のアーサーは切なかったな。
アーサーの事を見ている人は誰もいなかった。みんなジョーカーに良くも悪くも夢中なのだ。
アーサーが願った人気芸人としての未来はもう決してやってこない。思い描いた人生とは全く別もの…しかし、切ないがそれが人生なのだろう。
多分僕の最後もそうなんだろうな。「思ってたんと違う…」と思いながら終わるんだろうな。
まぁ…それが人生ですわ!