藤さん

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥの藤さんのレビュー・感想・評価

4.5
1と2含めての"JOKER"でした。
好きな人もそうじゃない人も1回読んでみてほしいからネタバレ入ってるけどあえて外してる!!!!



っていうのも1では7歳から虐待されて、色んな人にバカにされ笑われてきて、誰にも見向きもされなかった"何者でもなかった"アーサーが大衆の不満という扇動に駆り立てられてジョーカーに祭り上げられる。そして1を見た視聴者もその下克上に歓喜して面白がった。それが1。

そして期待されたなか上映された今作は、本当は"そんな人ではない"のに全てをぶち壊す人とただ虐げられてきた可哀想な人というジョーカーとアーサーのギャップに本人が苦しんでる時に現れた理解者のハーレイ。彼女への愛情だけでアーサーはもう一度ジョーカーとして"みんなの期待"に応えようとするけど応えられる程の器はなくて諦める。結果、ハーレイもジョーカーが好きだっただけで"アーサーという人間を求めてなかった"人のひとりだった。期待してた人たちもみんなガッカリ。視聴者もね。

そんでもって、2を見に来た人も、これまでダークナイトとか色んな作品で描かれてきた、知的でいて聡明な全てをぶっ壊してジョークにする"かっこいいジョーカー"を見に来たからガッカリする人が多かった。誰も惨めなアーサーなんて興味なかったから賛否が別れてしまった。

でもジョーカーってトランプでは、あるゲームではどんな役にもどんな数字にもなれる万能で最強なカード。でもあるゲームでは回ってきたやつが負けるハズレくじ。
1で期待した市民たちも視聴者も2でガッカリした市民も視聴者も結局ジョーカーに振り回されただけで、ジョーカーの本質とはそーいうもの、期待させ応える時もあれば裏切って失望させる。フォリアドゥ(二面性)こそがジョーカーであり監督の手のひらの上で俺たち視聴者も転がされてたってわけね。

最後にアーサーを殺して自分の口を切り裂いてた男。デントも出てきたし、アイツもしかして後にダークナイトのジョーカーになったりするんじゃね?そんな妄想も捗って面白いよね!友達のアイデア。

つまるところ、市民の不満の波に乗せられたアーサーは期待に応えられなくて自分が作り上げた潮流によって生まれた人に殺されるという最高にジョークってことね爆笑
藤さん

藤さん