このレビューはネタバレを含みます
前作を例えると「一夜限りのSPショー」で、それは見事成功を収めた
対して本作は、このショーのあまりの熱狂ぶりに、カーテンコールが終わっても夢の続きを期待し劇場に残り続ける一部の観客と、たった一度の成功にしがみつき、また舞台から降りる事を許されなくなった主役、この状況に対する後始末を容赦なく見せつける
夢か現か境界が曖昧になる感覚を味わう前作とは異なり、夢想はミュージカル、その他は現実、と両者がハッキリ分かれているから、「まぁそうなるよね」と納得する出来事の連続が、アーサーの惨めさや一見無敵に思える「ジョーカー」という側面の脆さを強調させていると感じた
事の顛末はああいうかたちとなった訳だけど、少なくとも「アーサー・フレック」という一人の人間の生涯を描いた物語として完結させた事には肯定的
既に終わったはずのステージショー、今度こそ幕引きです