「あなたならどこにいたって 孤独を手放さずにいられるわ」
ちひろさんは基本笑顔だし、ニュートラル。
自分を偽ったりしてないし、弱い立場の人間に優しい。「私、そんないい人間じゃないよ。」と彼女は言うが、いい人になりたいとかそんなことじゃなく、ただやりたいからやっている。
明るくコミュ力高いが、どこか寂しさの気配を纏っている。
刺されるくらいに誰かの心に入り込む。
「今のあなたがとても好きよ。」って言われて、まいったなとほほ笑む。
が、築かれた絆を握りしめることなく、また新しい所へ進んでいく。
孤独を手放さずに。
人は1人で、たとえどんなに大切な人でもお互いを完全に理解することなんてできない。
でも、その孤独と寂しさを受け入れて生きる事で、自分を押しつけずにただ相手のありのままを受け入れることができるのかもしれない。
大切な人にさえ自分が分かってもらえないと感じる人に、それでもいいんだよって寄り添える人がちひろさん。
彼女が綾でなく、ちひろとして生きることを選んだことが、切なかった。
2023-34