このレビューはネタバレを含みます
孤独にならないために人に合わせる人生。
孤独でも自分らしく生きる人生。
果たして本当に孤独なのはどちらだろうか。
現代の世界はSNSなどで昔とは比べ物にならないコミュニケーションが交わされている。例え1人でいるときでさえ、Instagramへの投稿などを通じて、コミュニケーションが生まれる。
それゆえ、人は「孤独」を恐れる。
自分より周りに合わせ、孤独を回避する。
けど、孤独を良しとできれば、自分の本心に従って動き、無駄な我慢をせずにすむ。
本作では、主人公ちひろが様々な人と出会い、その人に孤独という空間を提供し、そこに一歩踏み出す勇気を無意識にくれる。
そんな孤独に強いとされる彼女も本当は孤独が平気な自分に不安になることがある。
雨の中、多恵さんに言われた一言、
「もしも私のお母さんが多恵さんだったらどんな人になってたんだろう」
「今よりも素敵な人にはなってないんじゃない。今のあなたがとっても好きよ」
最強な人なんていない。
結局、彼女も孤独に強い、1人の人間だった。