あんぽんたんん

ちひろさんのあんぽんたんんのネタバレレビュー・内容・結末

ちひろさん(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

この手の邦画実は苦手なんだけど、
面白かった。大人の映画って感じだった。

1.一人一人やってきた星がバラバラなんだから、分かり合えないのが当然なんだよ

たとえ身内でも家族でも…。

この言葉が心に響いた。
関連で印象に残ったシーンがある。

裕福な家庭で料亭みたいな手料理で育った女子中学生が、たまたま鍵っ子の男子小学生の家で出てきた焼きそばを食べて、涙するシーン。
この焼きそばを作った男子小学生のママは、おそらく描写から察するにシングルマザーで、風俗で働いてるため夜の帰りが遅く、この時の焼きそばも、風俗の露出度高めのドレスのままちゃっちゃと料理した焼きそばだった。

前者の女子中学生の家庭は、夕飯時(おそらくほぼ毎日)ママパパ弟の4人が揃って料亭みたいなママの手料理を食べている…

後者の男子小学生の日常はというと、鍵っ子で基本的には一人で冷凍食品を食べて一人で先に寝ている…

一見、前者は裕福で不満も何もないように見える…。でも、おそらくその女子中学生にはきっちりとした家柄が、窮屈だったんだろう…。きっと両親にはよくしてもらっててそんなにあれこれ言う不満はない、でもだからこそ他のママがチャチャって作った簡単な焼きそばを口入れた時何かを発言するでもなく、涙が自然に出てきたのではなかろうか…。

実際このセリフはこの描写に対して使ってるわけではないのだが、私は先ほどのセリフがすっごく思い浮かんだ。


一人一人やってきた星がバラバラだから、たとえ家族でもちょっとずつ違うよね。

そんなふうに思うことが出来たら、実生活の中でも、多少人と意見がぶつかっても楽
になれるんじゃなかろうか…。そんな気がした。

2.ちひろの人物について
なかなかの変わり者。自由でふわふわしてる。でも、元風俗嬢No.1。人への扱いがさすがである。
ラーメン屋で出会った男の人とのやり取りの中で、途中死に関するドキッとした言葉が出てくるが、ちひろの言葉を境に、対面の男も本音を漏らす…。
男の人が抱えてることが何となく分かった上での発言なのかは不明だが巧みな口言葉であった。

まーもちろん真似したいと思えるようなセリフではないのだが…。

多分芯は強い、でも自由人。
そんなちひろの性格をぜひ見てほしい。

【注意】
内容はかなり大人の映画。
もしかしたら、人生経験が若い人には裏テーマが伝わりにくいかもしれないです。
ただ、色々考えさせられる映画なので、
ぜひ見て欲しいです…
あんぽんたんん

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