みむさん

サイレント・ツインズのみむさんのレビュー・感想・評価

サイレント・ツインズ(2022年製作の映画)
3.5
ポーランド映画祭にて。

全く知らなかったがこの話実話がベースで、書籍化、舞台化、映像化されているらしい。
ポーランドイギリス合作でイギリスの話。
一瞬、ピーター・ジャクソンの「乙女の祈り」が頭よぎった。

「ゆれる人魚」のアグニェシュカ・スモチンスカ監督。「ゆれる人魚」がいまいちハマらなかったのでどうかなー?と思っていたがこれは見入った。

双子の間でのみ話し、二人だけの世界に浸った少女時代から思春期あたりまでのドラマ。
話の筋はまるでスリラーだが、監督の独特の世界観で時折混ぜる空想的ストップモーションアニメがツボる。でもそれで決して中和されふんわりするわけではなかった。実写でやったらグロテスクだな。

いじめや不適合、それを救済する社会はなく、どんどん内に籠る。成長するにつれドロップアウトした者というより子供の頃から何かを腹に抱えて成長したように見える二人。
なぜ二人だけの間でしか話さないのかは想像で補うしかないのだけど。
謎解きでも原因解明でもないからそれはそれでいいと思う。

ただ二人の行く末がなかなか鬱展開だった。辛くて救いがない。

単なる伝記映画ではなく監督ならではの映画になっていて良かった。