眠る猫

トゥモロー・モーニングの眠る猫のレビュー・感想・評価

トゥモロー・モーニング(2022年製作の映画)
4.7
ラミンとサマンサの歌声を聴くことができるだけで十分すぎる。

映画は結婚10年目で息子1人いて離婚調停中の夫婦の話。
まだ2人が結婚する前の10年前と、現在が行ったり来たりするような構成。
ラミンの髭具合で若い時か現在かを見極める。お互い支え合うと誓ったはずなのに、いつの間にか掛け違えたボタンは元に戻らず、心はどんどんすれ違う。
妻は芸術家として成功し、夫がそれを妬むみたいなところから始まるすれ違いだけど、その間に挟まれた子供がかわいそう。
もっと早くにちゃんと話し合えばいいのにと思う。

この映画の中の女性はたくましい。キャサリンのお母さんも、おばあさんも明るくて強い。特におばあさんの「心配は暇な人の時間潰し」という台詞が印象的。

劇中の曲はどれも素晴らしい。
今回映画のために新しくサマンサのために作られた曲。とある決意を胸にキャサリンが力強く歌う歌What love did がサマンサの声にマッチしていて本当に良かった。
曲がどれも素晴らしすぎてサントラを買おうと決めた。ずっと聴いていられる。

2人の子供ザック役の男の子が可愛いし声が良い。子供なのに声がすごくいい。
ビルの友人がハドリー・フレイザーならなお良かった。(妄想)
サマンサはいつ見てもウエストは細いし、ラミンのムキムキのボディはすごい。

ラミンとサマンサの共演はChess the Musical 以来だろうか?と思っていたら、この映画監督のニックはChess the Musical の演出・振付を手掛けていたらしい。そういうことだったのか…とこの奇跡のキャスティングに妙に納得する。
2020.2ちょうどコロナ禍騒動直前、Chess the Musical の舞台を観劇したことを思い出す。

やはりラミンは映像ではなく舞台の人だと思う。こうして映像で見ることができるのは嬉しいけれど、ラミンの歌声は舞台で味わいたいと思う。

日本では10年前石井一孝、島田歌穂、田代万里生、新妻聖子で舞台が上演されていたらしい。そういえばなんとなく記憶にある。当時は観なかったけど、再演ないかな?

2人の歌声はもちろんのこと、ロンドンの街並みも楽しめるし、ラストのタワーブリッジに向かう3人の姿は画になる。

音響のいい映画館での鑑賞をおすすめする。
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