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ゴッズ・クリーチャーのTaulのレビュー・感想・評価

ゴッズ・クリーチャー(2022年製作の映画)
3.0
自滅していくポール・メスカルは今美味しい

「A24の知られざる映画たち」@シネ・リーブル梅田

アイルランドのひなびた漁村での人間模様。厳しい自然や営みの中で培われてきた男社会とそんな中で生きる女性たちの苦悩。エミリー ワトソンがさすがの演技で映画に奥行きを与え、若いアシュリン・フランシオーシも重要な役をうまくこなしていた。中盤のある事件により物語の方向性が分かり、神が創りたもう者の罪、それも男性の犯す罪についての、女性たちの尊厳が描かれる。すこぶる現代的なテーマだった。ただ思いきった音楽や音使いで不穏を煽るのが、度を超えていたように感じた。それと映画を長くしてでも、主要登場人物の心情をもっと描いてもいいように思った。全体に印象は残るが掘り下げ不足か。粗野なようだが繊細な男を演じさせると今最高のポール・メスカルはここでもよくて、自滅したかのように消えていくのがぴったりだった。
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