Taulさんの映画レビュー・感想・評価

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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.5

『ゴジラxコング 新たなる帝国』IMAXレーザーGT。前作がアイデアに富み端正だった思える程、アレとコレとを寄せ集めて大味に突っ走った感覚。でもどんどん知能指数が下がっていく感じは、求めたものでもあり>>続きを読む

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.5

『オーメン:ザ・ファースト』名作ホラーの前日譚としての根本的な謎を、今も続く社会問題を取り入れて描く。これが長編デビューの若い女性監督が挑んだ意欲先。1970年台初頭の若者のパワーが社会に影響を与えて>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

3.0

『異人たち』ここまでパーソナルで全編その思いが溢れているとは。感動しかないような再会と、作品の持つ怪談テイストの面白さは、やはり抑え気味に、ゲイである中年男の孤独な視点だけで描く。一瞬で失われるもので>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.0

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』これは面白い。3.11以降の日本の物語。ハードな幼年期の終わりと、カワイイ日本的な女子高生の日常が並行で描かれる。それだけでも面白いが、途中の飛>>続きを読む

ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.0

『ブルックリンでオペラを』初レベッカ・ミラー。ウディ・アレンのNY映画みたいな雰囲気だが、笑えないし話の方向性が見えない。モタモタしたような会話劇を追っていたが、気がつくと、ハリウッドの伝統とそのアン>>続きを読む

リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.0

『リンダはチキンがたべたい!』笑って泣けて目が楽しい、文句無しの面白さ。みんな間違ってるドタバタ劇だけど、脇も含めちゃんと思いがあって、それが大胆にスパークする活劇が素晴らしい。下手ウマミュージカルの>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

-

『プリシラ』愛らしくも空虚な「人形の家」映画。でもスターの結婚生活を下衆に盛り上げないのがソフィア・コッポラ。あのセレブリティの中の少女視線はなかなか出せないのでは。メンフィスマフィアも可愛いボーイズ>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

4.0

『ゴッドランド/GODLAND』壮大なスケールをスタンダードサイズ角丸で。アイスランドの厳しい大自然の中、愚かで小さい人の蠢きがまさに焼き付けられた感覚。寓話のようで、男性性、ナショナリズム、宗教伝播>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.0

『アイアンクロー』父親のマチズモ、レスラー業、銃と宗教、それらに呪われたともいえる一家だが、乗り越えるのもまた家族愛という、まさにアメリカを描く物語。不幸の連続には感情が引き裂かれそうになる。ショーン>>続きを読む

シャドー・メーカーズ(1989年製作の映画)

3.0

『シャドー・メーカーズ』DVDで初鑑賞。マンハッタン計画を描く1989年のハリウッド映画。グローヴスとオッペンハイマー中心にロスアロモス(なかなかの再現)での群像劇を展開。時間軸を変えデーモン・コアの>>続きを読む

フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.0

『フォロウィング』25周年HDレストア版を劇場で。意味ありげなショットにノリで攻める音楽、時系列をいじくり謎めいた語り口で面白い話だと思わせる。スーツ、謎の女、盗む、騙す、ノワール感、ミスる主人公、時>>続きを読む

FEAST -狂宴-(2022年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

邦題や宣伝のイメージもあり、対峙や葛藤、なんなら復讐の宴を期待してしまった。監督のインタビューでは「赦し」がテーマとのこと。本編で聖書が引用されていたが、確かに聖書では驚くような赦しがあり、それをさら>>続きを読む

スペースマン(2024年製作の映画)

3.0

古くは『惑星ソラリス』から最近では『アド・アストラ』など、宇宙と深淵さと精神の問題を重ねて、哲学的だし詩情性を感じるような、大好物なタイプのSF。新鮮味はないし決定打にかけるが、中年男性の贖罪話は、独>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

1.0

劇場を何度も出ようと思ったほど、陳腐で苦手な作品だった。

世界中のクリエイターが不遇な状況やマイノリティを娯楽作品で扱う難しさにチャレンジし、苦心している中、本作では、それらをあまりにも露骨に感動の
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

5.0

最後は真相はもう明らかにしないでいいと思うほど、素晴らしい脚本による問いかけ映画。落下死をめぐる法廷劇であり、謎解きの興味は根底にありつつ、だんだん夫婦をネタにした露悪的な創作合戦に。フランスの法廷は>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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『オッペンハイマー』ずっと追ってきた監督の新作として、IMAXをエキスポで見てきたものとして、被爆国の一人として、20世紀の戦争の歴史に興味がある者として、オッペンハイマーの評伝に触れたものとして、そ>>続きを読む

1905年の冬(1981年製作の映画)

3.0

『1905年の冬』(1982)初鑑賞。エドワード・ヤン初脚本作品。ゲスト登壇あり。大阪アジアン映画祭。ユー・ウェイチェン監督はアニメが本業で構図が見やすく端正な作り。ドイツ教養小説や『三四郎』『青春の>>続きを読む

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

3.0

『ポップスが最高に輝いた夜』Netflix。この日のレコーディングの様子は何度見ても凄い。本作は、目新しい切り口ではなく誠実な感じで、いまや伝説的な出来事を、当事者の振り返りで内情にスポットを当てなが>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

-

『パスト ライブス/再会』先行上映。
主演二人はもちろんジョン・マガロが素晴らしかった。
良すぎた。切なすぎた。泣きすぎて頭が痛い......

*

『パスト ライブス/再会』恋愛映画というくくりを
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Blue Christmas(原題)(2017年製作の映画)

3.0

『Blue Christmas』1968年イヴ、スコットランドの借金取りの1日という題材のクラシカルさ。フィルム撮影が映える。

https://charlotte-wells.com

Laps(原題)(2017年製作の映画)

3.0

『Laps』地下鉄での嫌な体験を肌感覚で。やはり視線と距離感の使い方が上手い。

https://charlotte-wells.com

12日の殺人(2022年製作の映画)

4.0

『12日の殺人』まるで男達の解剖学。事件もだが、参考人も捜査側も男だらけでミソジニーまみれだし弱さも如実。その言動の端々が分かる自分も痛い。後半女性たちがそれを解体するようでもある。社会派とエンタメ性>>続きを読む

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.0

『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』初鑑賞。嬉しいくらい見たかった作風だった。男の夢や友情、哀愁を語りたくなるが、とにかく監督のセンスで好きなことをやりきった感じがいい。今見ると青春映画のよう。知らなか>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.0

『マダム・ウェブ』ようやく見たが、期待値が低かったせいか、結構面白かった。2000年代の初頭の舞台設定に合わせたのか、作風も当時の小ネタで転がしていくアクション系のドラマみたいで、突っ込みながら見てい>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.0

『ゴールド・ボーイ』鑑賞。内容は話せないがとにかく面白い。原作が中国、舞台が沖縄で日本映画としては攻めてて個性的。納得しづらさもあるが、金子修介は作劇と役者を信じて弛緩せずこの複雑な話を語り切った。宮>>続きを読む

リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング(2023年製作の映画)

4.0

『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』ビートルズのカバーから知った派だが、ロックンロールの偉大なる創始者の一人だと改めて噛みしめると共に、文化の盗用という言葉につきる長年の悔しい思いを知る。>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.0

『関心領域』特別先行上映。音の演出が凄いが合わせて気配と臭いを感じる映画であり、『サウルの息子』はじめアウシュヴィッツ映画が蘇り胸糞悪くなる。背景に映り込む引きのカットが変わるたびのドキドキ感。その他>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

『デューン 砂の惑星 PART2』先行上映。IMAXレーザーGTで見甲斐がある映像と音に圧倒された。どう撮ってるかなど忘れさせる程の完成度で、古典的で異次元の世界の物語に没入。と同時に人類の歴史を体感>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

『アメリカン・フィクション』実に良く出来た脚本。経済的に困った黒人の作家が、開き直って書いたステレオタイプな黒人像のギャング小説が大人気に。そのドタバタでポリコレや多様性、意識高い系を茶化しながらハリ>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

『コヴェナント/約束の救出』面白過ぎるが、料理が難しいプロットを、時間配分と演出バランスに気を配り、戦争アクションと批評性を見事に両立させて仕上げたガイ・リッチー。カッコつけ過ぎないように我慢して撮り>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.0

『ARGYLLE/アーガイル』鑑賞。マシュー・ヴォーンが好きなことを好きにやっていて、とにかく楽しい。構成やギミックも大好物で、ブライス、サム、ヘンリーらの活躍が感動までに。個人的にはサプライズも。関>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.0

『梟-フクロウ-』面白さが約束された設定の中、罠に落ちていくように、後半、怒涛の展開が待っている。前半の仕込みがじっくり過ぎ、展開が凝り過ぎ、演出が勿体ぶり過ぎ、必要ないとこも暗過ぎ、最高のラストショ>>続きを読む

くちづけ(1955年製作の映画)

3.0

『くちづけ』(1955)初鑑賞。高峰秀子特集 @シネ・ヌーヴォ。35mm 映像:良好/音声:普通。

男女の仲にまつわる3篇のオムニバス。石坂洋次郎原作で大らかな男女の関係性を描く。戦後も落ち着き、カ
>>続きを読む

朝の波紋(1952年製作の映画)

3.0

『朝の波紋』(1952) 初鑑賞。高峰秀子特集 @シネ・ヌーヴォ。35mm 映像:普通/音声:やや悪い。

高見順の新聞連載小説を映画化。GHQ統治も終わる頃で、経済も復興した東京で働く男女のトレンデ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

『夜明けのすべて』かつてなかったと思わせるような、優れた映画文法から生まれた優しい映画だった。三宅唱監督は時代にあったメッセージを、自身の映画文法を大切にしながらも新しい試みも行い、多くの人に届く作品>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

『瞳をとじて』エリセだからこそ許される作品だろう。映画と記憶、眼差しについて驚くほど愚直に、そして機が熟すのを待つかのようにゆったりと、語りかけてくる。その冗長な語り口と散漫な切り返しは最後に向けて意>>続きを読む

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