桜花

ファミリアの桜花のレビュー・感想・評価

ファミリア(2023年製作の映画)
3.9
2013年に「日揮」という大手のプラント製作会社で実際に起きたテロ事件、をモチーフにした映画だったので、見よう、と思った。

テロ事件だけでも大きいテーマなのに、更に日本国内における外国人労働者についても描かれていて、他の感想にもあったように、確かに「言いたいことが拡散してる」と、私も途中まで思った。

でも、見終わった後、違う感想を持った。

•理不尽な理由で、何らかの集団により大切な人(血の繋がった家族)を殺された人の生き様の対比
外国人労働者 ←日本の企業及び半グレ
半グレ←外国人労働者
主人公←テロ組織


•それぞれの集団は、血の繋がりの有るなしに関わらず大きな家族のようになっていて、互いを信じあっている
故に、時には暴徒化する

•アメリカの同時多発テロから続くイスラム過激派による事件が続き、リーマンショックからの失われた10年。事実、暗いニュースが立て続けにあり、荒んだ時代だった

その視点から考えると、大風呂敷を広げたように感じるが、実は淡々とその頃の日本に起こった出来事を並べたのであり、そしてその理不尽さと、無能であった行政を皮肉ったのだろう、とも感じた。
(もちろん、行政も頑張ってはいたのだろうが、その時はそう思えなかった)
桜花

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