酩酊石打刑

少女は卒業しないの酩酊石打刑のレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
3.8
『リンダ リンダ リンダ』『櫻の園』ちょっとテイストは違うが、『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』などの学園物が好きな傾向にはあるのだが、さすがに古稀を過ぎた老体にはちょっときついかなと、観始めたころは思った。しかし中断せずに最後まで観てみ良かった。
卒業二日前の限定した時間内の話、『リンダ リンダ リンダ』と同じくラストは軽音部のインチキバンドの演奏では終わるのかななどと想像しながら観た。
4人のJKのエピソードが綴られる。いちばん共鳴できたのは図書館少女の詩織さん。学校行事などで運動場や体育館に放り込まれた時の、どこの群れにも入れない孤立感を思い出した。
話題の河合優実演じるところのまなみさんのエピソードは、突っ込みが足りないと感じた。これはひょっとしたら原作短編では「ダニーボーイ」の歌で繋がった話なのかと思った。原作にあたってみたい。
その軽音楽部部長杏子さんの母性に満ちた視線はステキだった。ダニーボーイという曲も印象深い。わたしが中学生だった頃英語の教科書にこの曲の楽譜が載っていた。ビートルズがデビュー前のシングルとしてこの曲が発売されていて、みんなで盛り上がっていたことを思い出した。
バスケ部の由貴さんは最も堅実な青春を送っているようでいいのだが、陰キャだったわたしには頑張ってくださいとしか言えない気がした。
まあ、夜中に一人でダニーボーイの独唱には泣きそうになりながら楽しませてもらった。


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