映画『俺を早く死刑にしろ!』
死刑囚と教誨師の予測不可能なラブストーリー
死刑になりたい為に、何の罪もない姉妹と母を殺した主人公・亘。
おのれの生い立ちや、出来損ないとレッテルをはられた人生。
世の中の全てを否定し、死刑判決にさえ感謝する生(いのち)
神様は全ての人を愛してくれる。「あなたの手は暖かい」と、亘を受け入れようとする教誨師・沙月。
世にも不思議なラブストーリーが始まった。
母親との思い出や、殺した姉妹の最後の言葉の回想に、葛藤しながらも、沙月の愛を受け止め、心を取り戻す亘だが、人生の終わりは予想外な展開を迎える中で、終わってしまう。
正義感あふれる刑務官に、亘の前で刺され、倒れ込む、沙月。
亘の刑執行後、不敵で静かな笑いと共に、起き上がる。
拘置所と思われる施設の中で、個性的な人間味のある刑務官や彩月と築いていく亘のヒューマンミステリー。
終盤20分は、大どんでん返しのストーリーが怒涛のように流れる。
舞台を映像化した作品だが、舞台では表現出来ないエフェクトを含みつつ、舞台から、スクリーンの中に、出演者が飛び込んでくる。
エンドロールが始まるまで息をするのもつらいくらいのスピードと心のクロスメッセージ。撮影期間はたったの5日。クラウドファンディングに支えられたインディーズ映画だが、単館上映は実にもったいない。本作品のドキドキとスリルが、少しでも多くの人に届いてもらいたい。