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ヴィーガンズ・ハムのSSDDのレビュー・感想・評価

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)
4.0
◼︎概要
夫婦仲の悪くなっている肉屋の二人はある日、過激派のヴィーガンに襲撃され、店を破壊される。店の経営も厳しい中、うんざりするようなことの帰りに襲撃したヴィーガンの一人を見つけ誤って殺害。
遺体の処理に困りハムにしたところ…。

◼︎感想(ネタバレなし)
ようやく見れた本作。
これはシリアルママのリメイクかな?と思うほどよく似ている。

本作は菜食主義から更に趣向が、動物性のものを避けていくうちに、環境問題、虐待など様々な課題と結びつけ、動物性の食べ物を食べることを否定至るというヴィーガンと、食肉業界の対立をコミカルに描く。

実際、一部の人間が肉屋を破壊したり暴徒化したり、成長期の子供にも強要してしまうなど、偏った思考から、自身だけではなく他人に強要することが問題になっている。
芸能人ではヴィーガンを一度謳うと動物性のものを食べただけで炎上したり、はたまた健康問題を起こしてヴィーガンを辞めて健康的になっただのと大騒ぎしたりと…本作もあながちフィクションとも言い切れないのが怖いところ。
まぁ人様の食い物に口を出すもんじゃございません。口に合わないなら食わない、行かないで済む話です本来。

ともあれ、なかなかシニカルな作品で、テンポは想像以上に早く、クラシカルなロックをBGMにバンバン殺戮するに至るのは爽快さを感じる。

一体登場人物達の倫理観が誰かまともなの人いたか?と言われるとわからないまであるシニカルが好きですね。

なんか仕事に疲れた時に観るにはうってつけの映画でした。









◼︎感想(ネタバレあり)
・シリアルママとの類似性
殺人のテンションや、社会問題の風刺、途中からルールや倫理観が壊れていく様、主人公がシリアルキラーファンだったりとブラックコメディの金字塔と思っているシリアルママのリメイクと言われても納得する。まぁシリアルペアレントだけど。
直接手は下さないものの、指示役の妻が最もサイコだし、肉が美味いからと人肉だったことに対してリアクション薄いのは怖すぎる。

・始まりも終わりも唐突
ダラダラせずにいきなり店が襲われ、すぐにハムができ、飛ぶように売れるまでの一連の速さに笑える。
そして終わりも突然、いつも観ていたシリアルキラーのドキュメンタリー番組にしっかりと取り上げられたのだから本望だろう…と思ったら法廷では後悔している様子のシーンが意外だった。
…が今思うとペースメーカー付けてたせいで逮捕されたから後悔していることに上げたのか…?

・総評
娘の彼氏とか絶対殺されると思ったのに死なないとか意外性もあり、なかなか楽しめました。
儲かってる肉屋は基本クソ野郎だし、主人公達はサイコキラーだしでなんだかんだ肉屋が最もイカれた扱い受けてるし、ヴィーガンは悪いこともしてない人が大半というなんとも皮肉な作品でした。
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