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ヴィーガンズ・ハムのshoのレビュー・感想・評価

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)
3.8
笑えて楽しい悪趣味ブラックコメディ。
クスッと笑える小ネタも満載で素直に楽しめた。

自分はヴィーガンではないけど、動物の権利論や倫理学は知的好奇心が刺激されて面白いし、そうした倫理観に基づいたライフスタイルを実践してる人は素直にすごいなと思う。だからネットでよく見るヴィーガンを小馬鹿にした態度はどうかと思うし、劇場公開当時は気乗りしなくて見に行かなかった。
今回友人にすすめられて見て思ったが、この映画の政治思想や倫理観との距離感は「ザ・ボーイズ」のそれに近いと思う。現実のヴィーガニズムの思想や価値そのものを揶揄するというよりは、そこからは距離を置いて風刺してる。
動物の解放を求める“ヴィーガン”が人間を襲い、“肉屋”は(種差別をやめて笑笑)人肉を売り始める。モノマネ芸人が対象の特徴を誇張してズレたことをするユーモアに近いかも。過剰にコミカルに「ヴィーガン」と「肉屋」をキャラクター化することで笑いをとる。
そういう意味では、ヴィーガニズムの倫理的価値を認めた上で、そこから外れまくるというブラックコメディでもある。
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