◆あらすじ◆
ヴァンサンとソフィアは肉屋を経営していたが、ある日、ヴィーガンの過激派に襲撃される。その後、ヴァンサンは過激派の1人を発見し、車で轢いて殺してしまう。死体処理のためにヴァンサンはハムに加工するが、ソフィアは知らずにそのハムを販売したところ、人気商品になってしまう。
◆感想◆
経営不振の肉屋がヴィーガンのハムを売って大好評になるというブラックな作品ですが、ストーリーの楽しさや映像やBGMの明るさからコメディホラーとしてとても観やすい作品となっており、ヴァンサンとソフィアの2人の関係の変化ややり取りが楽しいです。
ヴァンサン(ファブリス・エブエ)とソフィア(マリナ・フォイス)は夫婦として倦怠期にあり、肉屋の経営も困窮していることから、離婚の危機にありました。それが事件の隠蔽のためにヴィーガンの死体をハムに加工して売ってしまったことから、ソフィアはビジネスチャンスを見出し、ヴァンサンにヴィーガンを殺してハムに加工する商売を唆すようになります。ソフィアの「なりあがりたい」「金持ちになりたい」という欲望が強烈に出ていて面白かったです。
しかし、ヴァンサンはヴィーガンの殺害に消極的で、事あるごとに理由をつけてやめようとします。ヴァンサンの考えが正しいのですが、ソフィアのイケイケの雰囲気がつい観ている側に伝播して「やっちゃえよ、ヴァンサン!」と思ってしまいました。ヴァンサンは繰り返すうちにヴィーガン狩りを仕事にしてしまいます。殺害シーンをあまりにも明るくあっさり描いているので、妙に楽しく感じてしまいました。
人体を切断するシーンは残酷でありながら、映像としてあっさりとしたものになっていて、コメディのテイストで描かれていて苦手な人でも観やすいと思います。
コメディとしてとても面白い作品でした。
鑑賞日:2024年4月28日
鑑賞方法:Amazon Prime Video