加害者側の視点や都合の悪い事実を隠しがちな日本(日本に限った話ではないかもしれないけど)に一石投じるという意味で意義ある作品
100年前の事件でもスケールの違いあれど、コロナ蔓延当初のことを思うと遥か昔のことと思うのは危険だなと
ただ、映画としてこれが優れているかというとそうではなかったのが自分の意見です
こんな事件があったと届けることに意識がいきすぎていると思う
大事なところでセリフと長回しに頼りすぎているのでは
肝心の虐殺シークエンスも見ている時は厭な群集心理が描けていると思ったけど、冷静に考えるとこの人はここでそのセリフを本当に言うかなという違和感もあれば、物語の都合だとしても役割が若干ズレているようにも思える
ジャーナリズムの本質を問いたいのであれば、新聞記者や読書に勤しむ青年など、知性が愚かな群集心理に挑む描写がもっとあればより深みが出たのでは
真っ当な知性と愚かな群衆心理という対立は明確化した方がエンタメ的にももう少し山ができたと思う
