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福田村事件のmtのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
2.5
ドキュメンタリー監督として『A』『311』『FAKE』(これだけ未視聴)などの制作を通じて、メディア論を展開してきたと個人的に認識している森達也監督による初の劇映画作品ということで、内容も含めて多角的な面で見るべきところのある作品だったと思います。
映画の中で起きた事件がどこまでフィクションでどこまで真実か、今から一人ひとりが丹念に証拠を集めて精査するということは当然できず、一旦そのままに受け取るしかないのですが、森監督がこれまで訴えてきたメディア論に無理やり引き寄せて解釈するとしたら「なぜ報じなかったのか」という一貫したメディア批判に通じた作品なのかなと思いました。
映画としては、ある意味、監督が(過去作もそうですが)悩んでいないというか、初めからメッセージありきで、物語が積み上げられて行っているので、ある意味、思考の余地を許さないような作りになっていると思います。
最後の暴動が起きたあとの興奮した人々に何を言っても通じないシーンとかは普通に恐怖感がありました。役者の方々も適材適所というか、演じるべき役割をしっかりと演じられていたと思います。ただ、躍動する太鼓の音は少しやりすぎか…?冷静になれといいつつ、映画自体が観客を扇動するような形になっている気が。
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